はじめてのおべんとう。ー10ー


「おはよう、透子ちゃん!・・・ってすごいクマだよ!」


「ちょっとね」


翌日、学校に行くなりすぐ机に突っ伏す。


「ひどいザマだな、透子」


「うっさい。立夏」


バカにしてくる立夏に私はちょっとイラっとする。


「またゲームか?」


「違うよ。弁当作ってた」


「は?お前が?料理苦手なのに」


「まさか透子ちゃん!藤宮くんに?」


「う、うん。お母さんが忙しくなって今日からコンビニ飯になるって嘆いてたから」


「わぁ!カレカノになる日も近いんじゃない?透子ちゃん」


「な、無いから」


まだ考えられない。


立夏を好きなままで誰かと付き合うとか出来ない。


相手に失礼だ。


それに、藤宮くんが私を好きなわけないし。


私だよ?


愛未みたいに可愛いわけでもない。


ただ、私は藤宮くんの笑顔が見たくてやっただけ。


なんか、ほっとけないんだ。


藤宮くんは。

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