A7-5
そもそもBGMというものが人間に
では戦いの場で、対戦相手の持ち歌が流れているこの
同時に、自分自身は気分が
「いっくよー! いち! にー!」
そして、何よりも……
「さ」
戦いのリズムを、コントロールできるようになる。これは大きな利点だ。
曲のテンポとズレたタイミングで、AKARIは大きく前へ
その姿勢は……前傾。
これが短時間で彼女の出した「答え」だ。
「…………!?」
A1がほんの
だが、A1が止まったのは一瞬。
彼のする事は変わらない。
──だが。
「そう、ここで光る。──読み通り、よ」
AKARIは宣言した。
A1のヒットアンドアウェイ戦法は完成されているが、
閃光による
AKARIは顔面に風圧を感じた。A1の掌が
そして今の体勢のAKARIを
では、AKARIはどうすれば良いか? 決まっている!
「ここで……こう!」
彼女は前進をやめず、首から上を横に
〈フラッシュ〉を受けてはいたが、この
「やっと、近づけた♥」
AKARIはついに、A1の
ここで彼女は腕を前に出す。
しかし、その両腕は空を
「──あれ?」
「危なかったよ」
少年は思ったよりも
答えを知ってみれば、何も難しい事はなかった。A1は〈フラッシュ〉でAKARIの視界を
AKARIがかわした掌底はフェイントにすぎなかった。A1は突き出した左腕を
ゾワッ──と、
AKARIの
だが、
A1の〈ショートワープ〉が発動した。今度こそ少年は、手の届かない位置へと離れてしまった。彼は構えを取り直しながら、不敵に笑う。
「悪いな。
「……ちぇっ。やっぱり、流石ね」
やはり先制は、A1! 会場が
AKARIは左肩を押さえる。思った以上に削られたHP。葵から暗殺
彼女は深く呼吸し、息を整える。A1が構えを取ったまま、
第二の
***
「うおーっ! マジで? 今のは行けると思ったけどな。タイミングも、悪くなかったのに! やっぱうぜーなー、A1」
「……Z選手、君にはリアクション要員ではなく解説者としてギャラを
「ん、ああ」
すっかりギャラリー目線になっていたのを金谷に
「つまりだな……フラッシュだのショートワープだのはあるけど、そもそもA1の強みは見切りが上手いのと、見てからの反応の速さだ」
「君なら何とかできるのか?」
「まー、初撃取るのは難しいな」
安田……ランク1位プレイヤー「Z」はそう
「でも、アレだなあ。今のは上手くいったけども。A1って、いつももっと速くないか?」
「……ん? 動きの話かね」
「そうそう。調子でも落としてるんなら、付け入るスキはありそうなモンだけどな。行けっかな、アカリちゃんは」
「そういうことなら、心配はいらないだろう」
「──ってーと?」
「彼女は、私が『黒字』と判断して連れてきた
「なるほど。ただのアイドルってワケじゃねーか」
安田は目の前の
「さて。そろそろ次、いこうか……?」
サドンデス
わかっていても、無防備な顔面を目の前にチラつかされると攻撃してしまう
AKARIは
「まったく……宣言通りにいかなくて、
会話を
やはりA1は強い。まともにやっては
「責任──取ってよね!」
AKARIは再度、指をスナップする。
〈サウンド〉が、消えた!
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