β41 ラブレター★愛娘むくちゃんへ

   1


 玲の心に、むくちゃんへの想い出が、止まらずに溢れて来た。

 まさか、走馬灯ではないかと危惧する。

 その一方で、左手をとっかかりから離した。

 勿論、落ちて行くから、死ぬかも知れない。


「むくちゃんへ。ぱーぱは、君にラブレターを書きます。頭をメモ帳にして、聞いてくれな」


 落ちながら、唱えた。

  

   2


 むくちゃんへ――


 俺達の赤ちゃん。

 俺の娘。

 可愛いむくちゃん。


 おむつを替えると、さっぱりとして、嬉しそうなむくちゃん。

 おむつかぶれもなく、元気一杯なむくちゃん。

 もう、パンツタイプになっているよ。

 凄いね。

 大きくなったね。

 むくちゃんの成長は、喜びでしかないんだ。

 ぱーぱの心配が、減ったよ。


 ミルクも、かなり美味しそうに飲むむくちゃん。

 パパから、おっぱいが出なくてごめんね。

 でも、粉ミルクを丁度良く作ると、イヤイヤしないし、飲み残しもない。

 いつも、ミルクキープと言う消毒液を使って、哺乳瓶とかからの感染に気を付けているんだ。

 元気で何より。

 ぱーぱは、ほっとしているよ。


 今日は、離乳食のお粥をあげたっけ。

 熱いのをふーっとすると、湯気に驚いたむくちゃん。

 可愛かったな。

 そして、又、美味しそうに食べてくれた、むくちゃん。

 お粥から、段々、離乳食を進めて行くのに、ぱーぱシェフの腕を奮いますよ。

 楽しみにしているよ。


 お話上手のむくちゃん。

 最初は、少しだけびっくりしたけど、今は、話せて良かったと思っているよ。

 難しい話になるが、以心伝心は、正に、テレパシーかと思ったよ。


 飛翔も凄いね。

 ぱーぱとまーまの為にありがとう。

 ぱーぱの勝手な美舞探しに付き合わせてしまって、本当に悪かった。


 必ず、むくちゃんを探し出す。

 生きているんだろう?

 お願いだから、さっきのは何かの間違いで、生きているって、知らせて欲しい。


 何よりも、まーまとぱーぱが大好きだった。

 そんな、優しいむくちゃんの事を愛しているからね。

 何も心配は、要らないんだ。

 元気でいてくれたら、それで。


 全霊をかけて、護るからな!


 ――ぱーぱより

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