エピローグ「これが俺の長期出張を受諾するに至る長い経緯」
九州の空港に降り立った俺は混乱の極致にあった。
マジか。
マジか。
マジなのか???
送られてきたスマホの録音を何度聞き直しても勘違いとは思えない。
マジかーーーーーー!!!
「いやー、渡辺さんッ!お久しぶりです、総務の佐々木です。遠くからわざわざご苦労さまです。今回は転勤ということみたいですネッ!タクシーもなんなので空港まで迎えにこさせて頂きました。専務からも『是非労ってやってくれ』とのことですので、本日は経費でパーッとやりましょう!!」
恭子が俺を?
えーーー?
「後ですねーーーっ、あっ、これはまだ秘密みたいなので私から聞いたのは内緒にしてもらいたいのですが……、あー、言っちゃおうかなー?言っちゃいますよ!実はですね、配属こそチーフとしての現場入りですが、この異例の時期にも関わらず渡辺さんが係長として昇進の辞令が下りているらしいんです!」
世界3大ミステリーより謎だ。
なんで、恭子が、俺を?
大好き?
あっ、でも、それはビックなLikeであってLoveではないかも知れん。
「ん?渡辺さん?ちょっと聞いてます?」
いや、しかし、初恋って言ってたぞ!!
やっぱLoveじゃん!!
なんだそれーーー!!
「おーい、渡辺さーんっ!どこ行くんですか?そっち行ってもまた飛行場に戻るだけですよ。空港玄関はこっちですよーーー!」
こ、これ、とっちゃんと恭子の悪戯とかじゃないよね?
ないよね?
そもそも、恭子にそんな演技力はない。
じゃあ、どうすんだよ。
どうするのさーーーーー!!!!!
ま、まぁ、あれだ。長くなってしまったが、そしてちょっと混乱してしまったが、これが俺の長期出張を受諾するに至る長い経緯。
あと、恭子覚醒。
(完)
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