無、または否定のこと

なにもない

ただ眠っていたい

無であり続けたい

感傷せずに生きたい

干渉されずに生きたい

心と向き合わずに生きたい

人の心を受け取らずに生きたい

全てを許せる人間でありたい

笑えなくても許される人間でありたい

どうでもいいことと切り離せる人間でありたい

機械のようにただただ動く人間でありたい


否定される生き物だのに、否定されるのをやめろと言われるのだ

ダメだと言われても、解決策などは提示されぬ


「考えろ」


考えられれば否定される生き物などになっていない


言葉は画となって頭を渦巻く

伝えられぬ単語が生きようとしている

眼の前の景色に被さり、答えを吐き出させるべく喉に集まる


しかし出るのは嗚咽のみ

言葉は生まれず、与えられる言葉に殺される


人と違うのだ

人ではないのだ

なりそこないなのだ


そう思わねば保てぬのに、それは違うと否定される


無を目指すことに救いを感じる

それは生きることの放棄だと心が否定する


私は生きたい

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脳内テラリウム 亜里つなぎ @tototo-tototo

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