百七振目 そろそろ重要申請でして

 そろそろ重要の申請日も近づいて参りまして、何かと準備を始めている方も多いと思います。今回は「令和元年」という事で、元年狙いで申請が増えそうな気も。


 少し前まで申請数500本程度だったものが、最近は刀剣ブームもあってか倍の1000本近くの申請。合格本数が多少は増やされたとはいえ、あまり意味もないようで。

 そのため合格率は20%台から年々低下し、15%を切ってきた感じです。

 合格率10~20%とはいえど、けっこうに記念申請? とでもいいますか、とりあえず挑戦。または数打ちゃ当たるみたいな申請、その他に明らかに合格水準に達していない申請も多いそうですので……実際にはもっと合格率は高いはず。

 とはいえ、お金持ち申請があるので限られた枠は大きく減ってしまうのですが。


 令和元年程度で申請数が増えるかどうか不明ですが、これがどうしてなかなか細かな事でも敏感に影響が出るのが刀剣界の不思議。

 少し話は違いますが、たとえば「老後2000万円問題」が話題になった時は、途端に刀が全く売れなくなり刀剣屋は青くなったそうで。

 この、増税でどうなっている事やら……。

 とはいえ先の「老後2000万円問題」の時もでしたが、そうしたショックというものは一ヶ月ぐらいで解消されるそうでして。そうしてみると、大刀剣市が十一月というのは丁度良かったのかも。

 十月増税で一ヶ月たち、刀が欲しい人は我慢出来なく頃合いなのでしょうから。


 重要刀剣の申請ですが。

 もし申請されるのでしたら、事前に申請用紙をダウンロードし記入持参する事をお勧めします。以前の事務室のカウンター前にぞろぞろ並んだ頃などを思えば、格段に会場が広くなって受付ブースも効率化されてはいますが、やっぱり混むのは変わりませんので。

 そして申請には、「拵え、折り紙、何かの書き付け」などがあれば、必ず一緒に動かした方がお得です。合格時に、それらが図譜に書き込まれているかどうかで、価値や値段が全く違ってきます。

 もちろん審査自体には影響せず、付属品が記載されるに値しなければ除外されるだけなので付けておいた方がお得かと。

 ただし以後は一緒に動かさねば、逆に値段が下がるといったデメリットもありますが……。


 申請するなら、やはり持参でしょうか。私は運送については、過去に恐い目に遭っていますので、どれだけ面倒でも持参しかしません。

 運送会社によりますが、黒い猫の運送会社では保険保証は30万円まで。それ以上は要相談だそうですが、何にせよ全額の保証はされません。そして、どこの運送会社でも荷物はカーゴに放り投げて投入され他の荷物に押し潰されていたり……。

 自分で運んで自分で傷つけたら諦めも付きますが、そうでなければ泣くに泣けません。

 自分で運搬する際ですが、刀屋さんから言われた事があります。

 それは刀鞄に入れる際は鋒を上にした方が良いとの事です。

 私は居合いをやっていた経験から無意識に鋒を下に入れ(拵えで動かし鍔があるため、鋒を下にしないと出し入れがしにく)運搬していました。しかし、鋒を下にすると鯉口が堅く締まってしまう原因になり、はたまた落下時に鋒を痛めてしまう危険があるだとか。

 言われてみればその通りでした。

 以後は鋒を上にして運搬するようにしましたが、鯉口が堅く締まらないので正解でした。なんにせよ、丁寧に運ぶことが肝要ですが。


 ただし、持ち込み申請で一番の問題は、お年寄りに捕まる事でしょうか。

 刀剣好きの老人などは、たまに変な人もいらっしゃり……見ず知らずを捕まえ得々と自分の刀が如何に凄いか素晴らしか語りだしたり、相手の所持刀を尋ねダメ出ししだしたり。特に若い人が相手ともなると、「俺が教えてやらねば」みたいな雰囲気で自分の考えや好みを押し付け、それ以外を扱き下ろして否定したり……なんだかもうね……。

 会話に飢えておられるのでしょうが、つかまると結構に面倒です。


 絶対に通るものではないと分かっていても、大事にしていた刀が不合格ともなれば、とたんに色褪せて見えるのもまた事実。重要に申請し不合格で手放す人が多い気持ちも分からないでもないです。

 しかし、不合格だから悪いというわけでもありません。

 今回はたまたま競合して不合格という場合もあります。なにより、自分が良いと思った刀剣こそが名刀という事を忘れないようにしたいと思います。

 というわけで、今回はいつもより多めに申請するつもりですが……試しに全部を持ってみたところ……そんなに本数はないのに凄く重い。しかも、拵えも一緒に持ってみると、もう討ち入りに行くぐらいの姿。

 運び方は再考の余地ありでした。 

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