三十七振目 日本刀を運ぶヤバさ

 昨今は何かと物騒。

 それだけに日本刀を運んでいると警察を呼ばれる事もあります。呼ばれるとどうなるか……実体験。

 

 日本刀を購入し新幹線の時間調整で喫茶店で休憩。

 すると入り口に警官が五人ほど登場、ドドッと押し寄せ取り囲まれます。身分証の提示や「貴方の持っているものは何ですか」などと確認してきます。

 素直に応じると、次は中身を見せるよう言われます。

 それも応じると、何故そんなものを持っているか目的など質問されます。

 そんな感じですが、理由があって(直ぐ使えない状態で)の運搬は問題ないので、領収書を見せたり店と連絡を取って証言して貰ったりすれば解放されます。

 その時はお互い笑って分かれましたけど、後でヒヤヒヤ。

 どうやら店で購入して出て行くところを見て誰かが通報したようです。なんとなーく、店で何も買わず残念そうにブツブツ言いながら、こちらを何度も見ていたおじさんが怪しいような……。

 ポイント1:警官は知って聞いてきます。躊躇ったり虚偽を言うとアウトです。

 ポイント2:素直に見せないとアウトです。あと刀を自分で抜くとアウトです。

 ポイント3:美術工芸品なので取り扱いに注意するよう言いましょう。


 そんな事がありますので、日本刀を運ぶ場合は刀袋は当然として、梱包して運搬用鞄に入れておきましょう。直ぐに使える状態か否かで、かなり対応が違います。

 日本刀専用の運搬用鞄も探せば各種ありますから、必ず用意すべきです。

 ちなみに寶〇の刀剣ケースを使用しています。この〇船の刀剣ケースであれば、形状もしっかりして下に石突きもあって縦にしても安心。薄いぺらぺらケースでは、縦にした際など衝撃がマトモに鞘尻にきますので鞘や刀身を痛める原因です。ジッパーも鍵があるため安心(警官に説明する際など)です。

 難点はベルト金具で、留め具がスライド式のため服に引っかかると外れやすい。ですから、金属クリップや紐などで補強しておくとベスト。


 自分で運搬する以外は運送会社を利用せねばなりません。しかし、殆どの運送会社は日本刀の運送を嫌がる場合が多い。

 そのため依頼する際には、「工芸品」と記載してます。割れ物注意のシールは必須……ながら、貼っても意味無いかもしれません。

 以前、ある運送会社で運送してもらった時のこと。

 荷物追跡で所在を確認すると三日たっても四日たっても「荷物受付」のまま。痺れをきらし問い合わせると、半日以上経って既に営業所に到着している事が判明。

 で、こちらから荷物を受け取りに行くと……段ボールに大きな貫通痕。

 営業所の人は顔色が悪く、しどろもどろ。中身を確認すると無事でしたが、あと5センチずれていたら大惨事。

 なーんてことや、白鞘が破損していたり凹んでいたり。鍔の輸送では桐箱の鍔台が折れて(これは釘で止めてあるため)鍔が傷だらけになっていたり。

 結構、荒い扱いをされている。

 運送保険もありますが、Tっぽいマークは五十万円まで。二連ネコの場合は三十万円を越える場合は金額を証明する領収書が必要。さらに保険会社で審査する必要があるので時間が必要。

 ただし! 何かあっても全額は補償されませんが。

 これまで様々な会社を利用し刀を運送して貰いましたが、最も荷扱いが良く丁寧だったのが元ペリカン。店舗からの運送するなら、絶対ここでお願いしたい。

 あとは美術品輸送という手もあります。

 何社かに問い合わせてみましたが、個人で利用するといずれもチャーター便になります。運賃は安いところで6万円、高いところで15万。これなら、自分で運んだ方が絶対に安い。


 なお梱包に関してですが、ちゃんとした店は厚みのある段ボールに梱包材をしっかりと入れ油紙で防湿対策して、運送会社まで気遣って送付してくれます。購入品を直々に運んできてくれる場合もありますが、これはよほどの品でないと無理。

 梱包材を見れば店の質が分かります。

 過去には鍔を購入したら、菓子の空き箱に入れて送ってきた店もありました。そこは二度と利用してないですけど。


 自分で送る場合の梱包。

 鞘や拵えにしっかり納め、がたつかなければ刀袋に納めた上からエアクッションなどで巻き細長い段ボールに納めておけば、それほど神経質にならなくても良い……普通に運送されるなら、これで充分です。

 割れ物注意・天地無用・上面こちら・水濡れ厳禁などのシールはお守りのつもりで貼っておきます。

 あとは運ですね。

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