ひとこと紹介にある通り特撮の王道にあると思える物語です。特撮をずっと見てきた訳ではない私でも分かるくらい、作者の持つ熱量が感じられます。
他の方のレビューには仮面ライダークウガのオマージュを強く感じるとありますが、私はそれだけでなく昭和ライダーが持っていた、ヒーローになってしまった悲哀を感じました。
望んだ力ではないし、望んだ戦いでもないけれど、敢然と立ち向かう姿だけがヒーローではなく、平和な時間にこそ暗い影を落とすシーンにこそ登場人物が人格を備え、平和に根ざしたメンタリティやインテリジェンスを持っている、即ちヒーローに視覚という者があるならば、それを十分に身に着けていると感じさせられます。
エピローグ2まで見ました。
<良いところ>
ギャグとシリアスの割合がちょうど良いです! また優子ちゃんも強かなキャラで面白いです。
主人公の苦悩も上手く出ています。異種族だけど、意思疎通が取れるというのも良い設定だと思います。序盤から出てるアスラーダもいいライバルになってて飽きにくいですね。次へと読みたいと思える気持ちいいキャラ。
怪人の中には闘う者と現代に馴染んだ者、共生したかった者、うまく描かれています。怪人との戦いで主人公が苦悩するシーンも良かったです。
単なるバトル物でなく、地の文でしっかり主人公が引き出せているところ、読者の気持ちを引き出せる文章も素晴らしいです。スラスラと読めました。
<気になるところ>
なるべく主人公視点を固定した方が良く出るかも、と思います。特に暴走ミュータント対抗戦 前編は混乱を極めました。振り回される主人公!って一つに絞った方が、主人公に投影しやすいと思います。
すごく残念だったのは、タイトルの統一感が急になくなったところです。漢字のみ二文字のみで頑張って欲しかったです。
優子ちゃんがこの作品の魅力でもあるので、もうちょっと過去とか欲しいです!