レディ・ピアニーの生涯

作者 玉鬘 えな

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★★★ Excellent!!!

主人公ピアニーは、冒頭でその生涯の最期をどう迎えるのか既に示されています。
この物語は、彼女がどう生き、どうしてそのような結末を迎えることになったのか、それを記したものです。

明るく闊達に成長した美しいピアニーは、年頃の少女らしく、田舎暮らしに少々物足りなさを感じていて、伯父からの勧めで王太子妃付きの女官奉公へ嬉々として赴くことに。
華やかな宮廷での生活で出会ったのは、敬愛する主人の夫である若き王太子レオナルド――彼との出会いが、平凡で退屈だったピアニーの人生を、甘く刺激的で、破滅的なものへと誘っていく。

彼女は運命的な恋にときめく若さはありつつも、仕えるべき主人の夫との不倫という関係に熱中するほどには愚かではない。そして、自分が政治的にどういう立ち位置にいるのかも理解している。
それでも彼女はその危険な恋の道を進まずにはいられない。

こんなことを書いていると小難しい話のように感じてしまうかも知れないけれど、現代的な言葉遣い(イケメン等)が使われている所為か、とっつきにくさはまったくないです。文体は読みやすく、誰々がカッコイイ!などとキャッキャしている女官奉公の少女達の姿が身近に感じられるから、時代物というお堅さを感じずに読み進められます。

2017年11月末現在、第1部が完結したところです。
連載を追いかけるなら今だと思います。


★★★ Excellent!!!

ピアニーに恋をしたのは、妻も子もいる男性だった。
それも、己が仕える貴人の夫。

この時点で逃げていれば良かったのにと、思うのです。

あろうことか、若いピアニーはそれを『ゲーム』として楽しもうとします。
だが件の男性――国の王太子は、その視線で、その仕草で、体の熱でピアニーを虜にしていくのです。

そして、逃げられなくなる。


既に、最後に彼女は断頭台へと向かわされるのだと示されています。
さらに、中近世ヨーロッパ史に詳しければピンとくるモデルたちがいます。
だけど、この時点で悲劇だと断じてしまうのもいけない気がするのです。

レディ・ピアニーがその生涯を閉じる時に何を想うか…… ともに見届けませんか?


※大らかな幼馴染とか、忠実で冷徹な従者さんとか、ほんわか笑顔で何考えてるか分かんない詩人さんとか、ど直球で腹黒い伯爵様とか、脇役男性陣にもご注目あれ。

★★★ Excellent!!!

 王太子妃との器の違いを自覚し田舎へ戻ったピアニーの恋心がどこへ落ち着くのか気になります。

 決意すると行動にきちんと移すピアニーの潔さに好感を感じ、彼女にとって幸せな未来が待っていることを願ってしまいます。

 続きが待たれる作品でした。

★★★ Excellent!!!

3月10日現在の最新話、14話「打ち寄せる波風」まで読んだレビューです。

文章から匂い立ってくる中世ヨーロッパ的な雰囲気が心地よく、一方で、ところどころ会話の中に見られる現代的な言葉(イケメンなど)も、どの時代にもあったであろう女性たちのキャピキャピとした雰囲気や、気のおけない者同士のざっくばらんな会話の様子などを印象づけて、さじ加減がとてもお上手だなと感じました。
読んでいてとても楽しい文章です。

王太子やその妃、そして侍女たちなど、宮中での人間模様や生活もよく描かれていますし、これからの展開で重要になってきそうな国内での勢力図にもわくわくしてきます。

浮気な王太子が見せる誠実さも、王太子妃の人間的な大きさも好ましいです。
結婚観や恋愛観をはじめとしたそれぞれのキャラクターの描き分けも、とても良くなされていました。

この貴族の間のゴシップの様子やキャラクターの描き分け、そして少し皮肉が感じられるところなど、どこかイギリスの文豪ジェーン・オースティンを思わせます。

何より、ヒロイン、ピアニーの快活さがよく表れていて、読んでいてとても気持ちがいいです。
男性にも負けないほどアクティブでいて、恋に恋してうきうきとするような少女らしさも持っている。
健全で真っ直ぐな心根に、彼女に好感を抱きながら読み進めることができます。

続きもとても楽しみです。