心に生き続ける人

星空ミウ

心に生き続ける人

 父がこの世を去った。焼かれた体は骨と灰になった。私は最後まで出来るだけ骨を拾った。


 その闘病は約一年であったが、どれだけ辛かったかわからない。自分のこともあるが、母の心配もしていて、いろんなことが父を苦しめていた。不安からなのか怒鳴り散らしたり、後で謝ったり、大変不安定な精神状態で、本来の明るく冗談ばかり話す父ではなくなっていた。まわりもそんな父にたえきれず、一時独りで闘病生活をしていたときもあった。


 遠くに住んでいた父のきょうだいがいたことは幸いだった。父もきょうだいの話には耳を傾け、気持ちも穏やかな時もあった。遠くから何度もお見舞いに来てくれ、私の相談にも乗ってくれたり、本当に感謝だった。


 父が嫌いなときもあったが、私が大人になってからは、人ってそんなにうまく生きれないものだと気づくと、父は意外とわるい人ではないし、よく仕事を頑張ってくれたし、嫌いではなくなった。


 思い起こせばよいこともたくさんあり、最後には親類も集まり、いろいろあったが、引き際はなかなか粋なのかもしれない。


 父がこの世を去る前に、父が身をもって約一年の闘病をしたことは、私にとって貴重な時間だったし、人生の辛いときには、挫けないような気持ちをずっと与えてくれるだろう大きな大きな教えだった。


 なんだかいなくなった父が、今は元気な姿でいるような気がする。笑っているような。


 私もこの世を去るときが来るのは確実なのだから、そのあと誰かの心に生き続けて、心に光をあげられるような人になりたいと思った。

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ショートショートばかり書いてます。作風はふんわりさらさらショートショートです。またエッセイも多いです。 読むのは遅く、ハラハラドキドキがある作品は残念ですが、苦手で読むのがしんどかったりします。 …もっと見る

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