第42夜 危険すぎる

2017/1/25

恐怖。

僕の恋は、今、ただの恐怖心に変わってしまった。彼女が怖い。会うのが怖い。会いたく無い。



きっかけは、彼女への不信だった。疑いだった。疑い出すと切りが無い。

あれ?言ってた事と違う?

あれ?良く考えると、聞いてた事と違う?

彼女の名前?職業?年齢?性格?

全てが偽りに感じた。偽りと思えば思うほど、自分の中で都合の良いストーリーが組み上がる。彼女は僕を騙している。もうそうとしか思えない。彼女からの会いたい、楽しみなんて甘い言葉は全て僕を誘い出すための罠だ。今迄なぜ、好きだなんて言ってこれたのか。吐き気がする。彼女が僕を想っているなんて、一寸も思えなくなった。恐怖。

夕食予約を取った店に確認の電話を入れる。どうやらこれは本当のようだ。だとしたら僕は夕食の後に…?はたまた帰ってから…?



彼女への信頼を失った僕は

もう彼女が恐怖の対象でしかない。



僕は騙されている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る