もっと! ももいろお風呂祭り① ゆりリズ

「くんくん……」


 匂いフェチの由理ゆーり、今夜は自分のメイド服の匂いを嗅いで、


「じ、自分ので興奮するか! 今日は汗かいちゃったかなって、それだけだっての!」


「あら、じゃあいっしょに、お風呂入りましょうか♪」


 金髪巨乳メイドのリズが、手を握って微笑んでくる。

 由理は頬を染めて、頷いた。


「は、裸でキスするつもりでしょ。……いいけど」


 ※ ※ ※


「ちゅぷっ……ぐむぅ。ずっぷ、ちゅるぅ……」


「ちゅく、ぬぷっ♪ るぅ、ん……ふ、ふぅ……っ♪」


 ピンクのタイルが少女趣味な、「リトル・ガーデン」の浴室で。

 石鹸の泡に塗れながら、少女2人、産まれたままの姿でキスをする。


「んぶ……ずぷん♪ ぬぅっぷ、ちゅふぅ……。んんっく♪」


 湯気でほんのり暖まったカラダが、布1枚さえへだてることなく密着。


「うぅん……むぱぁ♪ くぷっ、くぷっ♪」


 ミルクに飢える子犬みたいに舌を出して、唾液をぢゅぷぢゅぷごっくんし合う。

 湯煙に、甘々な女の子の汗の薫りが混ざって……耽美でピンクなエロス空間です。


「ちゅっ……♪ ふふ、いいわね。裸のつきあいって」


 由理の唇を舐めなぞりながら、リズがにこっと微笑んだ。

 金糸の睫毛まつげに縁取られた瞳が、優しい青で。


「私、日本のお風呂大好きよ。女の子同士で、こんな風に毎日キスして♪」


「日本関係なくない?」


 銀糸の唾液に繋がれた唇が、ピンク。

 由理は首を傾げながらも、心で思った。


(私も……好きかも。こうして、誰かといっしょのお風呂……)


 百合メイド喫茶へくる前の、独りだった自分を思い出す。

 独りで石鹸を塗って、独りで頭を洗って、独りでお湯に浸かって……。


「いや普通だけど! 普通一人だけどさ? でもお風呂で百合キスに目覚めちゃったらね!?」


「由理? 顔が赤いわよ?」


 全裸でお肌を密着させて、ドキドキ心音を感じながら接吻。

 安心できて、でもイケないことをしてるみたいでドキドキして。

 この味を知ったら、もう孤独な夜には戻れない。ううん、戻りたくない。


「……ねえ、リズさん。独りじゃないって、いいね」


「ふふ、どうしたの急に?」


 そう言いながらも、リズは全て分かってくれるように……大きな胸でぎゅっと、抱擁してくれた。


「……ちゅっ♪」


 百合キスされて、由理は頬を火照らせながら、


「……ん♪ 私も……甘えんぼ、なのかな?」


 でも、いいよね。

 独りじゃないこと、誰かと繋がってることは、こんなにも幸せなんだって……それが嬉しいから。

 感謝の気持ちを伝えたいから。


「ちゅっ……んっ、くちゅぅ……♪」


 温もりを教えてくれた大好きな人へ、百合キスを返した。

 

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