春近し 百合の咲く季節ですね!

 バレンタインデーも過ぎて、東京はめっきり春模様。

 厚着をしてると、汗ばんでしまうくらいの陽気です。


「べ、別に匂いフェチじゃないのよ?」


 いきなり言い訳する由理ゆーり、皆のメイド服をお洗濯中。

 今はリズさんのメイド服をくんかくんかしてたところだ。


「ほ、ほら、冬ももう終わりだし。急に暑くなったし? 皆、どれぐらい汗かいてるかなって。綺麗に洗濯しなくちゃって……それだけなんだからね!?」


 ちなみに独り言である。


「んっ……リズさんの……♪ すぅ、すぅ……」


 匂いフェチじゃないと本人が言ってるので、そういうことにしてあげてください。

 でも、リズさん本人に見られた。


「ふふ、やっぱり私たち、似た者同士ね。ぽっ♪」


「ご、誤解! 誤解だからぁぁぁ!?」


 さてさて、今日の東京は春模様。

 百合メイド喫茶「リトル・ガーデン」の制服だと、ちょっぴり暑かったので。

 リズさんは胸の谷間とかに、汗をかいてしまった様子。


「で、その……恥ずかしいんだけど」


 頬を染めながら、リズさんが由理へ差し出すモノは。


「下着も……洗っておいてくれるかしら」


 汗を吸ったブラジャーです。


「……」


 無言で真っ赤になる由理……。


「な、なにか言ってくれないと。余計に恥ずかしいわ」


「……」


 下着から立ち昇る、リズさんの汗の甘い匂いに、由理がドキドキしてる。


「……ふぉぉ。リ、リズさんのぉ……」


「や、やっぱり喋らなくていい! なに喋っても変態さんだわ!?」


 リズさんも赤くなって、なにやら危険なことを口走りそうだった由理の、唇をキスで塞いだ。


「ちゅぷぅ! ずぷっ、ぢゅぶぷ……。むぅ、んーむっ♪」


「ふくぅ♪ ちゅぱぁ、ずぷん……♪」


 直接キスすれば、お口の中は甘いリズさんの薫りでいっぱい。

 匂いフェチでも、フェチでなくても……百合乙女なら皆、蕩けてしまうのは無理もない。

 抗えない、金髪巨乳おねーさんの口づけ。


「ちゅぷっ♪ んん……むー、くぷるぅ♪ ぢゅぼぬ、むぷぅ♪」


 唾液の糸も、冬が過ぎてからはほんのり温かく感じて。

 ……生命いのちの温度を感じた。


「ふふ、キスの味も……汗の薫りも。生きてる証よね♪」


「いやそんないい話とかじゃないからね!?」


 暖かな春……ゆりんゆりんな季節は、もうすぐそこです。

 年中百合キスしてるって? それはそれ。 

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