温泉へ行こう!⑦ キスって、愛伝える最強手段。

 冬の旅館の夜。

 山菜料理の口移しを堪能して、ゆったり羽根を伸ばして。


 さて、その後は……?


「ふぅ……星を見ながらのお風呂も、素敵ね」


 もう一度4人で、温泉に入ってました。

 たわわなお胸を湯に浮かべるリズさん。

 横では季紗きさ美緒奈みおなが、全裸で百合キス。


「ちゅっ♪ 広い温泉で百合キス……♪ お店のお風呂でくっつくのも良いけど、これはこれで♪」


「ふぅ、んんっ♪ ちゅぷっ、にゅぷん♪ やっぱりキスは飽きないよね♪」


「こ、これじゃホントに、キスしにきたみたいじゃないのよぉ!?」


 由理ゆーりの顔が真っ赤なのは、お湯のせいではありません。


「い、いちおうさぁ……この旅行は、リズさんのお疲れ様会であって……」


「ふふ、私はいいのよ。むしろ私もキスしたいっ♪」


 目をキラキラさせるリズさんに迫られて、由理は結局唇を重ねるのでした。


「んっ♪ ふぅ、っん……くぅっ♪ だ、だめ……流されてるよ私!?」


 星輝く、澄み渡った冬の夜空。

 東京の空では見られない、宝石を散りばめたような星空の大パノラマ。

 露天風呂で、それを見上げる……雄大な景色を独り占めするみたいな、ぜいたくな気分。


 忘れられない思い出になるかも。


(でも、それだけじゃ足りない。私も、リズさんになにかしてあげたい……)


 リズさんへの感謝の気持ちなら、この旅行を企画した店主マスターにだって、負けてないつもりだから。由理は、温泉の中、四肢を伸ばしながら、夜空を見上げて考えるのだった。


 ふと、リズさんが感傷的にこぼす。


「……イギリスでも、見られる星は、同じかしら」


 ざばっとお湯をかき分けて、リズさんへ近づく。


「ねえ、リズさん。なにか、してほしいことってない?」


 ストレートに聞いてみた。真剣な目で。


「どうしたの、急に?」


 首を傾げてリズさん、少し考えて。


「な、なんでもいいなら……キスしてほしいな♪」


「やっぱりそれなの!?」


 温泉来てから、キスばかりしてますが……いや普段もキスばかりですが……でもやっぱりキスが好き。

 そんな百合メイドのリズさん。巨乳(巨乳関係ない)。


 季紗と美緒奈が、ほんのり染まった頬で、湯の中を近付いてくる。


「だよね♪ 私たちは百合メイド……百合キスが、いちばんの贈り物だよぅ♪」


「百合キスって、愛伝える最強手段だかんな! け○おん!!の主題歌でも言ってた!」


 ぎゅぎゅっと裸のカラダでリズさんにくっつく2人に、由理も頬を染めながら、


「うぅ……ま、まぁ、リズさんがいいなら、いいけどさ」


(リズさんが望むなら……私の、初めてをあげてもいいのに……)


「とか考えてるわけじゃないからねぇぇーっ!?」


「なにを一人で赤くなってるの、由理?」


 ……とにかく。


「ね、心を込めてね♪」


「う……は、はい」


 リズさんの期待の眼差しに負けて。

 冬の温泉旅行の思い出は、やっぱり百合キス。

 星空の露天風呂で、産まれたままの姿で抱き合って……4人で口づけを交わした。


「ちゅっ……んむぷ。ふぅ、んくぅ……ちゅぶ、ちゅぅぅ♪」


 女の子4人、裸でキス……。

 すごい一体感。


「ふぁ、ん。ちゅぷ、ふちゅん……♪ あぅ、ちゅっ……るぷん♪」


 リズさんと舌を絡め、季紗と美緒奈とも唾液を交換しながら、由理は思う。


(ん……そうね、確かに、キスが最強かも)


 唇を重ね、吐息に溺れれば……互いを大切に思う気持ちが伝わる。

 ぜんぶ脱ぎ捨てた裸のカラダを合わせて百合キスすれば、ダイレクトに伝わる胸のドキドキ。


「ちゅぷっ♪ んむぅ……んぶ。ちゅ……ふぅっ、ちゅ、ちゅくん……♪」


 形に残るモノは無いけれど。

 この唇の熱は、きっと何年経っても……世界が色あせても、思い出せる。


「ふぁ……んん♪」


 舌をくちゅくちゅ舐め合いながら、由理へ、リズが赤い顔で微笑んだ。


「ふふ、キスがやっぱり、いちばんのプレゼントだわ」


「……ばか。キスで良ければ、いくらでも、してあげるんだから」


 そのまま4人、星に祝福されながら、裸で唇を重ねるのでした。

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