その百合にくちづけを(後編)

 心まで裸に、さらけ出して。


「ふぅ……」


 夜、営業終了後の百合メイド喫茶「リトル・ガーデン」で。


 湯気でほかほかのお風呂の中、金色の長い髪と青い瞳のお姫様的美貌なリズさん。

 バスタブに浸かり、お湯に神々しい巨乳を浮かべていた。


 掌に湯水をすくい、ぽーっと、ちょっぴりのぼせて赤くなった顔で、考える。


「一人だと、このお風呂も広いのね……」


 なんだか寂しい。

 やっぱり由理ゆーりと入ろうかしら?とも思うのだけど。


 この前のエロゲを思い出して、真っ赤に。


「だ、だめよっ。私達は清い関係! は、裸なんて見たら……!?」


 今までいっぱい、背中流し合ったり、石鹸で洗いっこしたり……裸のつきあいを由理と、季紗きさ美緒奈みおなや、お店のお嬢様としてきたけど。

 エロゲに触れた今、同じことをしたら……きっと欲情しちゃう。


(それはダメ。やっぱり、恥ずかしいし……)


 エッチなのは、いけないと思うので。

 リズは頬まで湯に沈んで、ぶくぶくしながら、心頭滅却して清純乙女な心を取り戻そうとがんばる。


 すると、いきなりお風呂のドアが開いた。


「リズさん、背中流させて! 嫌といっても流すから!?」


「きゃぁぁ由理!?」


 羞じらいながらも、何やら瞳に固い決意を宿して。

 すっぽんぽんの由理が入って来た。


「ま、前! 前を隠してぇ!?」


 そう言って手で顔を隠しつつ、指の間から由理のヌードを見ちゃうリズさん。

 由理も、カラダを隠したくなる羞恥に耐えながら、


「わ、私だって恥ずかしいけどっ。リズさんに、見てほしいのっ!?」


「なにを!? 裸を!?」


 全裸。

 お胸は控えめサイズながら、締まったカラダが綺麗な由理の裸。


 その背中から、これまた裸の美緒奈と季紗も顔を覗かせた。


「へへー、あたし達がアドバイスしたんだよ♪ リズねえが最近、お風呂いっしょを恥ずかしがるって言うからさ」


「由理にゲームの感想聞いたら、相談されたのよね。リズさん、今夜はたっぷり語り合いましょう! 唇で!!」


 お風呂の中、リズさんに逃げ場は無し。

 美少女4人、とても桃色で肌色で百合色な、入浴キスタイム開始です。


 ※ ※ ※


「ちゅっ♪ ちゅぅぅ……んふ。ちゅっ、ちゅぁ♪ ちゅぷぅぅ……♪」


「ちゅぅ……ん♪ ふ、ふちゅぅぅ……む♪」


「びちゅっ♪ ずぷん、ずちゅんっ♪ くぷぅ、ぐぷぷ♪」


「んふぅ……じゅるるっ♪ ちゅぱぁ、ずぷぷ……♪」


 お風呂の中、びしょ濡れ乙女達。

 一糸纏わぬ姿で、胸も、腰も……全部全部、裸の自分をさらけ出して。


 石鹸のローションでぬるぬるなカラダのまま抱き締め合い、唇の四重奏を奏でた。


「ちゅぅ、むくぅ♪ だ、だめよ、皆……。こ、こんな、エッチなゲームみたいなのぉ……♪ は、ふぁぁ……ん♪」


 3人に胸を丹念に洗ってもらいながら(頼んでない)、甘い声を上げるリズ。

 その唇へ舌をぬるぬるピストンしながら、唾液を振り零して由理が、


「わ、私だって……えっちなのは恥ずかしいけど。でもっ……!」


 くぷぅ♪

 リズの敏感な腔内へ、強めの刺激を。


「んむぅぅ♪ く、んあぁぁ……ん♪」


 全裸で抱き合って、乳を……合体。


「でもっ、好きなの。リズさんとキスしたい。リズさんに触りたいの……っ」


 右と左から、ロリな裸の美緒奈と、着痩せする裸の季紗も、リズへちゅっちゅ。


「んぷぅ♪ あ、あたし達だってぇ♪ それに、えっちなのはイケないことじゃねーから!」


「そうだよっ、リズさん。好きな人には、触りたくなるもの。……ちゅっ♪」


 ちゅっ、ちゅくっ。ちゅぱぁ♪

 喘ぎ声を奏でる最上の楽器となったリズさんの女体を、指で色々しながら。

 3人で口づけの雨を降らせる。


 あんな処へキス。


「ん、くぁぁ……♪」


 こんな処へキス。


「ふぁ、ふぁぁ……っ♪」


 エッチで尊い入浴シーン、4人、唇で愛し合えば。

 リズは青い瞳をとろっとろにして、


「え、えっちなのは、悪いことじゃ、ない……?」


「ふふっ、そうよリズさん。……ちゅぬるぅ♪」


 るぷぷん、と舌を絡ませながら、季紗が代表して宣言する。


「えっちな百合キスだって、愛情表現! 好きだから、いっしょに気持ち良くなりたいんだよ♪」


 桃色の素肌を擦り合わせて、キス、キス、キス。


「んむぅ、ちゅぱぁ♪ ずぶ、ちゅぷぅ……♪ ふぁ、わ、分かったわ季紗ちゃん♪」


 その間も横から由理、背中から美緒奈が、リズの裸体へ、裸体をすりすりしてる。


「こんな、エロゲみたいなの、どうかと思ったけど! 仲良しさんなら仕方ないわよね♪」


 ちゅぷぅぅ……♪

 3人へ代わる代わる舌を挿れ返しながら、リズも裸の気持ちを見せてくれる。


「私だって、皆に触れたい。裸でキスしたい♪ それは大好きの証で、イケないことなんかじゃないのね♪」


「ちゅぷぅ、ちゅぷぷっ♪ ふふ、リズさんが分かってくれて嬉しいよ♪」


 季紗が、美緒奈が、全裸な天使のボディを火照らせて微笑む。


「えへへぇ、これでリズ姉ともエロゲやれるね♪ 皆で語ろうぜ♪ ぢゅぷぅぅ……♪」


「あんっ、ふぁぁぁ♪ ちゅぷぅぅ……♪」


 ぴちゃん、びちゃっと、水音立てて。

 産まれたままの女体を重ね合いながら、接吻をカラダ中に……そんな百合乙女達。


 由理は、その輪の中で。


「……やっぱり、ちょっと恥ずかしいけど」


 リズさんの裸。美緒奈の裸。季紗の裸。

 ……自分の裸。


 裸で百合キス、お風呂で百合キス。

 1年前の自分が、想像もしてなかった日常に、頬を染めた。


「でも。好きなんだから、仕方ないよね? ……ちゅっ♪」


 裸で百合キス。

 エロゲみたいで恥ずかしくても……もう、このドキドキを、知らなかった頃には戻れない。

 戻れなくて、いい。

 

「ちゅっ♪ ちゅぅぅ、むちゅ♪ ちゅぷぅ、んぷぅ……♪」


「ふぅぅ、くぷぅ♪ ずぷ、るちゅ……ん♪」


「むぅー♪ んむ、くぅぅ……っ♪」


「ふにゃぁぁ♪ わ、私……愛されてるぅ♪」


 心から嬉しそうなリズさんへ。

 胸をさわさわしてあげながら、由理はもう一度、深く深く百合キスする。


「んっ♪ えっちなキスも……いいかも♪」


 すっごくイケない光景にも見える、お風呂でぬるぬる百合キス乱れ咲き。

 けれどこれも、清らかな愛の成せるわざ


 百合の花びら綻ばせる、愛情友情のハーモニー。

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