番外編 みーちゃん風邪引いた。

【前書き】

 この時、作者がリアルに風邪でダウン中だったので、ネタにした回。


 ※ ※ ※


「うー、だるいよぉ……」


 南原みなはら美緒奈みおな、風邪でダウン中。

 埼玉は所沢市の高層マンションにある自宅で、横になっている。


(学校も休んじゃったし、ヒマだなー)


 ツインテールをほどいて髪を下ろし、パジャマ姿の美緒奈。

 暖房効かせた部屋で、悶々とごろ寝する。


 バイト先の「リトル・ガーデン」へは、お休みの連絡済み。


 だけど、


(あたしがいない間にも、由理ゆーりってば季紗きさねえやリズ姉と、キスするんだろうな……)


 なんか、やだ。

 チクリと胸を刺す嫉妬に、美緒奈赤くなる。


「あ、あたし、何考えてんのさ!? 別に、由理が誰とキスしようと、関係ねーから!?」


 ……眠れない。

 仕方なくベッドで、百合同人誌を読む。


「看病でキスとかエッチとか……いいよね♪」


 またまた由理に看病される妄想をしてしまい、真っ赤になる美緒奈だった。


「か、カラダ拭いてあげる♪とか言って、あたしのパジャマ脱がせたり! で、あたしによくじょーして由理オオカミになっちゃうんだ……♪」


「……誰がオオカミよ、誰が」


 由理が来てた。


「うみゃぁぁぁぁぁっ!?」


「学校終わったし、お見舞いにきてみたんだけど。元気そうね、思ったより」


 まだ心臓バクバクさせてる美緒奈の頬へ、由理はペットボトルの水を押し当てる。

 冷たくて、気持ちいい。


「べ、別に頼んでないんだけど……でも、ありがと」


「なによ、しおらしい」


 美緒奈が素直だと、調子が狂う……なんて文句を言いながら、由理がお弁当のかごを出す。


「ほら、リズさん特製のサンドイッチ持ってきたわよ。あんた好みに、ちょっぴり辛口にしてるし。これ食べて、元気出しなって」


 ……で、ごく自然に自分の口に含む由理。

 髪をかき上げながら、美緒奈へ唇を近付けて……。


「……ほら、口移し。どうせ、そのつもりでしょ?」


 けど意外にも美緒奈、ふとんを口元まで被って、


「や、やだ。由理に風邪、移しちゃう……」


「私が風邪引いた時は、いっぱいキスしたくせに?」


「そ、そうだけどぉっ……」


 いやいやするように頭を振る美緒奈。

 なんだか、弱っている彼女を見てると、


(……なんか、可愛い)


 由理は不覚にもときめいてしまった。


「じゃ、じゃあ、ほら。カラダ拭いてあげるから、パジャマ脱ぎなさいよ、ねっ?」


「え、由理マジでオオカミ……?」


 照れる美緒奈へ由理慌てて、


「ば、ばかっ。看病、これは看病なんだからね! ほら、汗かいてるじゃない」


 美緒奈の胸元、パジャマのボタンを外すと……ほどよく汗ばんだ、裸の胸。

 ブラジャーも着けてない、甘い芳香を漂わせる、幼い乳房。


「……あう」


「由理、なに固まってんのさ」


 弱々しいながらも、小悪魔的に微笑んで見せる美緒奈。羞じらう表情を枕で隠して。


「そ○花の、アニメみたいだぁ……♪」


 嬉しそうにつぶやいた。

 たぶん、美緒奈の年齢で見ちゃいけないアニメなんだろうなーと思いながら、由理もドキドキが止まらず。


「ほら……腕挙げて……?」


 冷たいタオルで、美緒奈の肢体を拭き拭きするのだった。


(やば……オオカミに、なっちゃうかも)


 とは、どちらの心の声か。

 気付けば2人、キスを交わして……。


「んぷ。……ちゅぅっ、ふ……」


 ※ ※ ※


 後日、「リトル・ガーデン」にて。

 元気になった美緒奈ちゃん。


「由理ってば、情熱的だったなー♪ そんなに、美緒奈様に興奮しちゃったんだー?」


 カラダ拭き拭き以上まで行ったのかは内緒。

 元気になって途端に、小憎らしくからかってくる美緒奈へ、由理は。


「ううっ、大人しいままなら可愛いのに……」


 でも。

 小悪魔で元気な美緒奈にも、ドキドキしてるのだった。

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