学園祭編①

 由理ゆーり季紗きさが通う、秋芳しゅうほう女学園。


 昼休み、その生徒会室で2人……。


「ちゅっ……むぅ、ん。ふ……ちゅぷ……」


「んむぅ♪ ちゅぅ、んぷ……ちゅぷ、くちゅぅぅ……」


 指を繋ぎ、キスを交わしていた。


「んぷっ、ぷはっ……はぁ、んん♪ ね、ねえ由理?」


 とろんとした瞳で、唾液の糸を絡めあいながら、季紗が微笑む。


「ふふ。いいの? お昼ご飯、食べなくて……」


「よくない。よくないけど……っ」


 百合キスにドキドキしながら由理、羞じらいつつ、こんなことを。


「……く、口移しが、いいかな、って」


「……うん♪」


 そのままサンドイッチを口に含んで、ちゅぱちゅぱキスの続き。

 ハムとマヨネーズの塩気、酸味が、甘い百合接吻と溶け合う。


「ふうぅ、んむー♪ ちゅぱ、ちゅぷぅぅ……♪」


 もうノンケじゃないと受け入れてから由理、毎日こんな感じ。

 学校で、休み時間のたびに……もじもじしながら季紗の制服の袖を引いて、赤い顔で。


(ねえ、キス……したい)


 と、視線で訴える日々なのだ。


「ふふ、私も学校で百合キスできて嬉しいよ、由理♪ ……ちゅぅぅ♪」


「んぷ、ぷはっ♪ むぅ、ん♪ ほんと、私どうしちゃったんだろ……」


 でも自分を抑えられない由理なのでした。


「……ちゅぅぅぅ♪」


 ※ ※ ※


 そんな百合百合ランチタイムも、予鈴が鳴れば終わり。

 名残惜しそうに唇を離して、季紗が聞く。


「ねえ、もっとしたい……?」


 ほんとは、したい。

 でも由理は我慢して、


「ば、ばか。別に、もう……。どうせ、お店でキスするし」


「ふふ、そうね」


 頬を染めて強がる由理へ、季紗が可笑しそうに噴き出す。


「でも……今度の学園祭。どうせメイド喫茶やるなら」


 季紗、この前のホームルームを思い出しながら、


「『リトル・ガーデン』出張版にして、学校でも百合キスしたいよね」

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