犬派? ネコ派? 百合派!!

「わぉぉーん♪ ちゅぷぅ、ちゅっぷぅ♪」


 今日の百合メイド喫茶「リトル・ガーデン」は、なんと犬耳か猫耳か選べます。


「……ハロウィン週間終わったのに。このお店、コスプレ好きよね」


 犬耳カチューシャを装着した由理ゆーり、遠い眼。

 店内では、犬耳か猫耳を付けてお客様と百合キスする、コスプレメイド達の姿。

 お嬢様たちの好みに合わせて、メイドが動物耳を着ける企画です。


「リズさんっ。牛耳は無いの? 牛耳は」


 リズの同級生でもある巨乳大好き女子高生、常連の後條ごじょうるん。

 たわわなリズっぱいを揉みながら、牛耳リクエスト。


「ふにゃぁ♪ そ、そんなのありませんわぁ……♪」


「えーっ、残念!! 絶対リズさん似合うのに! 乳牛コス♪」


 ぱふぱふと、胸に頭を埋めながら……女の子同士だから許される密着コミュニケーション。


 一方、季紗きさは、これまた常連の少女で、自宅のメイドでもある上代かみしろふぶき……北欧の血が入った白髪ロリ娘(実は女子大生)と百合キスで、シチューを口移し中。


「ちゅぷ、ちゅむぅ♪ ちゅぱぁ、くちゅ♪ ふふ、ふぶきさんは犬派かな。それとも猫派?」


「ちゅぅぅ……っ♪ 季紗お嬢様ぁ、ふぶきは……ふぶきはネコれすぅぅ……♪」


 なぜかお客様のはずのふぶきが、猫耳装備。犬耳カチューシャを被った季紗の、されるがままに。


「ちゅぅぅ……ネコなので、ふぶきは、狼さんな季紗お嬢様に食べられちゃうのですぅ……♪」


「ちゅっ♪ ふふ、やっぱりふぶきさんは、ネコだよね♪ ……ちゅっ♪」


 ……動物の好みの話、だと思う。


「あの……由理お姉さま?」


 もじもじ羞じらいながら、彼女もすっかり常連、中学生の前園まえぞの円美まるみお嬢様。

 真っ赤な顔で、意を決したように由理へリクエスト。


「私も……ネコですっ!!」


「あ、お嬢様は猫派ですか。じゃあ、猫耳にしますね!」


 由理は、犬耳カチューシャを猫耳カチューシャに付け替える。


「……い、いえ、そうではなくて。あの、私自身がネコと言いますか、タチなお姉さまに責められたいといいますか」


(お嬢様は何を言ってるのだろう……?)


 よく分からないけど、百合キスすることにした。


「ちゅぷっ♪ ふふ、円美お嬢様の唇、美味しいですにゃ♪」


「ちゅぅ♪ にゃ、にゃぁぁぁーん♪」


 とりあえず、喜んでくれてるようだ。


 ※ ※ ※


「えへへー、でもやっぱさ、猫耳とか犬耳がいちばん似合うのはぁ、ロリ可愛い美緒奈みおな様だよな。わんわんっ♪」


 赤毛のツインテールとロリな容姿に、犬耳が似合いすぎる美緒奈。

 実は今日の企画も、ハロウィンのオオカミオナが好評だったので、お客様からリクエストが有ったのだ。


「がるるるるる♪ 美緒奈様は肉食オオカミだぞ♪ ネコな由理を襲っちゃおうかなー♪」


(ぐぅ可愛い)


 と思いつつ由理、美緒奈にデレは見せない。


「ばーか。ふざけてないで、お仕事しなさいっての。……ちゅ」


 キスで黙らせると……?

 ぼぼぼぼ、と顔を真っ赤に過熱して、美緒奈が尻尾ふりふり子犬状態。


「……やべー。あたし、ネコちゃんだぁ……♪」


「? あんたは犬耳でしょ?」


 由理だけ、分かってないけど。

 「リトル・ガーデン」は、ネコ派が多いようです。


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