百合キスは世代(とき)を越えて プロローグ

 清らかな乙女達の楽園、百合メイド喫茶「リトル・ガーデン」。

 女の子同士でキスという、最高に麗しい行為を、たっぷり見させてくれる……地球中でいちばん美しい場所である。


 そんな甘々で百合百合で美々しいお店の中、互いの指を絡め、潤んだ瞳で唇を重ねるメイドが2人。


「ぐぷっ……ぬぷぅ♪ んぷ、んむ……。ふぅ、んくぅ……ぷちゅ♪」


 乙女同士の唇が吸い付き、舌が絡まり合い……吐息の円舞曲ワルツを奏でて。

 もう、ラブラブ。


「ぷはっ……♪」


 運命の赤い糸より綺麗な、唾液の銀糸で舌を結びあい、見つめ合う百合メイド。

 その一人は、腰まで届く長い髪に、強気そうな瞳の少女。


「ん……。ノラの唇、美味しい……♪」


 唾液をじゅるっと吸われ赤くなる、ノラと呼ばれた少女。

 レモン色の金髪を丹念に縦ロールでまとめた、西洋人形のような……いや、こんなおっぱい大きい人形いない。とても胸の豊満なメイドだった。


「ふふ、薫子ったら。すっかり、百合キスの虜ね♪」


 ちゅぷぅぅ♪と。

 唾液を吸われたお返しに金髪巨乳メイド、ノラ、ディープキスして微笑む。


 照れ照れ赤くなる、長い髪のメイド……結城ゆうき薫子かおるこ


「べ、べつに、百合キスが好きになったわけじゃ、ないからねっ」


 ツンデレ風味に返す。


「ただ、そのぉ。あ、貴女が……可愛すぎる、からっ……」


「薫子……。嬉しい♪」


 そのまま抱き合って、ちゅぅぅぅぅぅ♪と百合キス。


「ふぅぅ……♪ くふぅ、ふ……むぅぅぅぅ♪ れりゅぅ、りゅちゅぅ。ぬぶ、ぐぶぅ♪ ずぶ、じゅぶぅぅ……んぶ、ふ……。んんっ! くぅ……んんぅぅ♪ く、ふ……くぅぅ♪ ぬぶ、ずぶ、ずぷぷ♪ ちゅ、ぶちゅ……♪ ちゅぱぁ♪ ぴちゃぁ♪ ぐっぷ、ぐっぷぅ……ふ、んふぅぅぅ……っ♪」


 早送り中。


「ちゅぶ、ちゅぷ♪ ふぁ、んん……♪ んぶぅ……ぐぷ♪ にゅくぅ、ちゅる……♪ んぷ、ぷふぅ♪ ……くぅぅ♪ んくぅ……ちゅぱぁ。にゅちゅ……。ずぷ……くぷ、むにゅぅぅ……♪ ふぷぅ……ぐぷ……ん……。ふぅ……愛し、てる……♪」


 ラブラブであった。


 そんな2人の百合メイド(いつの間にかベッドの上で裸になってるのは自然な流れなので気にしないように)、にこっと笑い合って。愛しげに、求めるように……指を重ねて。


「……ねえ、ノラ?」


「なぁに、薫子?」


 幸せな未来を疑いもしない、曇り無き笑顔で、乙女達は。


「10年後も、20年後も……。こんな風に、2人で百合キスできたら、いいね♪」


 そして、時は流れて……。

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