断章 南原美緒奈は褒め称えられたい。
「ちやほやされたーいっ!」
ある日の百合メイド喫茶「リトル・ガーデン」。
長い赤毛の、ぴょこぴょこ揺れるツインテールが
声に振り返る今日の出勤メイド……いつものメンバーと、あとは美緒奈の同級生の、宮野早乙女コンビ。
「開店前になによいきなり。お客様にも可愛がられてるじゃない、あんたは」
キスされたり、接吻されたり、口づけされたり。
ロリータ小悪魔美少女な美緒奈は、年上お姉さまのファンが多い人気者だ。
「そうだけど、それでも! コズミックキューティなミラクル美少女
チャームポイントの八重歯をチラリズムさせつつ、季紗やリズへ複雑な視線を送る美緒奈。
「リズ
自分が美人であることには1点の疑念も無いのねあんたは、と、ツッコミたい由理だけど。
アイドル級美少女な季紗や、巨乳という世界に通じる強みを持ったリズの近くにいると、時々劣等感を覚えるというのは……分かる気がするので、黙っていてあげた。
「というわけで! 美緒奈様の長所を10個挙げてね、みんな♪」
「ええっ!? いきなり言われても……」
最初に振られたリズ、あせあせしながらも。
「そうね……まずはやっぱり、妹みたいで可愛いことじゃないかしら」
で、隣の季紗にパス。季紗、うんうん♪と頷きながら、
「美緒奈ちゃんの魅力! それはやっぱり、可愛いことだよー♪」
「もー季紗姉ったら、可愛いがかぶってるぞ♪ ま、美緒奈様は確かに可愛さの化身みてーなとこあるけどさー♪」
重複してるけど、美緒奈悪い気はしないらしい。
で、由理の番。
「え? わ、私も考えるの!?」
なんか美緒奈から、すっごい期待の視線を感じる。
(美緒奈のいいところ……美緒奈のいいところ……)
「えと。か、可愛いこと……?」
由理も他に思いつかなかった。
でも美緒奈は頬を赤らめもじもじしてるので、ギャルゲ的には選択肢を間違えてないようだ!
「な、なんだよ由理まで。あたしが可愛すぎるからってさ、他の長所も挙げていいんだぜ♪ よし、じゃあ次は宮野ちゃんね。学校でのあたしも見てるんだし、いっぱい思いつくよね?」
ショートカットの髪型をした、栗色の髪の女子高生メイド、宮野りりな。
美緒奈のクラスメートでもある彼女、慌てて。
「ええっ!? って言ってもみーちゃん、勉強はアレだし……スポーツも、うーん?だし」
結論は、というと?
「うん! みーちゃんはロリ可愛い! ちっちゃくてつるぺたで、ペロペロしたくなるよ♪ というわけで、はい次、早百合お願い!」
同じく同級生の、大和撫子な黒髪巨乳メイド、早乙女早百合へキラーパス。
「え、えっとぉ? そ、そうね、みーちゃんは……ちっちゃくて可愛いのが、長所、かな?」
にこっと微笑む美少女早百合。額に汗が伝っているのは……「可愛い」しか、美緒奈の長所が思いつかなかったからではないと、信じてあげてほしい。
「や、やべーな。『くらくらするほど美しい』とか『気品が溢れすぎてまぶしい』とか色々あるのに、みんなであたしを可愛いとか。あたしの可愛さって宇宙レベルか……♪」
「美緒奈、あんたって自己評価高いのね……」
由理は脱力してるけど、まだ美緒奈様の長所が10個挙がってないので。
2周目に入った。
さすがの季紗も困ってる。
「ほ、他の長所? う、うーん? そ、そうね、プリティなこと、とか?」
「むー、それ同じだよっ季紗姉? いくら美緒奈様がキュートでプリティで抱き締めたくなっちゃうほど魅力的だからって……」
きりがないので、由理が美緒奈の頭を撫でてあげた。
「ま、あんたは、そういうところも含めて……『可愛い』のかも、ね」
撫で撫でされて、美緒奈が子猫みたいにしおらしくなって。
小声でごにょごにょ。
「な、なにそれ……。あたしのコト、好きなのかよ……」
「ん? なにか言った?」
すると美緒奈、林檎みたいな頬のまま、潤んだ瞳で見上げて。
可愛らしく、唇を突き出した。
「10個長所挙がってねーけど。ま、可愛いあたしにキスしたら……そ、その、勘弁してやんよ。こんなにみんなで可愛い可愛い言うんだから……で、できる、よね……?」
「ぐっ……!?」
いきなり乙女モードに入った美緒奈の顔を。
すっごく、可愛い、と。キス、したくなっちゃった、と思ってしまった由理の負け。
「わ、わかった。す、するわよ……?」
ドキドキドキドキ。
「……ちゅ。ん……ぷふぅ……♪」
接吻を、由理の舌を腔内に受け入れる美緒奈の表情は、幼いロリ顔に似ずエロティックで、それでいて清純乙女の羞じらいを残していて……。
やっぱり美緒奈のいちばんの長所は、銀河スターバースト級に可愛くて、ノンケな私でも百合キスに夢中にさせちゃうところだよね?と納得した由理の理性は……もう壊れてるかも。
「ちゅるぅ♪ んぷぅ、んぐぅ……。ふぅ、ふぅっ……♪ ちゅぱぁ、ちゅぱぁっ……♪」
「ずぶっ♪ んむぅ……♪ ぷちゅ……るぷ、ぬぶぅ……♪ ふぅ、むぅぅ……♪」
「ずるい、私達も美緒奈ちゃんと百合キスする!!」
こうして乙女5人で、かわるがわる、美緒奈のミラクルな可愛さを褒め称えるのだった。
……言葉でなく、唇で。
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