先輩が来た!②

 「リトル・ガーデン」に来店した、綺麗なお姉さん。

 ふわふわの長い髪に、垂れ目でおっとりした印象。

 けっこうな巨乳で、しかもそれが縦にストライプの入った上着で強調され、大人のエロス強めな美人さんだ。

 由理ゆーりは初めて見る顔だったが、慣れた様子で席に座り、コーヒー口移しをオーダー。


 季紗きさを相手に、唇ごとコーヒーを吸う。


「ちゅぅぅ♪ ちゅじゅる……。じゅぶ、じゅぶ♪ んー、やっぱり若い子のエキスは美味しいわ♪」

「ちゅぷ♪ 遥香はるかさんだって、まだ20代じゃないですか。若くてこの舌遣い……えっちなお姉さまは素敵です♪」


 上気した頬で、コーヒー味の舌を絡ませ合う2人。

 エロ乙女の季紗に負けず劣らず艶めかしい舌の動きを見て、「この人、ただ者じゃない!」と由理も感じる。


「だれ、この人? 季紗は知ってるみたいだけど」


 美緒奈みおなの肩をつつくけど、彼女も知らないらしい。


「さあ? あたしも初めて見るお客様だなー」


 けど美緒奈、真面目な顔で、


「……でも見ろよ、あのお姉さんってば、キスしながら、季紗姉の胸を揉み始めたぜ……! すげーエロさ、エリートなのは間違いねーな!」

「なんのエリートよ!?」


 そこへにこにこしながらリズ、2人に教えてくれる。


「2人は会うの初めてだったわね。あの人は、『リトル・ガーデン』のOGよ。裏沢うらさわ遥香はるかさん♪」

「面倒なのが帰ってきたな……」


 グラスを拭きながらため息を吐くのは、お店の美人店主マスターであるとおるお姉さんである。

 なぜかいやそうに、OGのお姉さま……遥香に声を掛ける。


「何しに来た、遥香? 『世界中に百合を咲かせるのー♪』とか言って、海外をぶらぶらしてたのは知ってるが」

「ふふ、それはね……」


 OGの遥香お姉さん、気品を漂わせる淑女然とした仕草で、店主マスターに向き直り。

 にこっと、微笑んだ。


「透。貴女に、結婚を申し込むためよ♪」


「「「キマシタワー!!??」」」


 生の百合プロポーズ。

 季紗とリズと美緒奈がきゃーきゃー声を上げた。


「あら、ごめんね。冗談よ♪」


「「「しょぼーん……」」」


 季紗とリズと美緒奈ががっかりした。

 彼女達の反応に、遥香お姉さま、頬に両手を添えた恍惚ポーズでハァハァする。


「ああ、乙女のリアクション、いいわぁ……♪ これだから女の子をからかうのはやめられないのよ♪」

「で? 本当は何しに来たんだ」


 せっかくの愛の告白にも動じない店主マスター、透お姉さん。

 軽く睨んでやると、遥香お姉さんは可愛くぺろっと舌を出し、微笑んだ。


「ええ、実はね……『リトル・ガーデン』のOG会を開こうと思って♪」

 

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