人肌が恋しくなる季節です。

 東京は、今夜も雨。

 百合メイド喫茶「リトル・ガーデン」も、なんだか静か。


「寒くなってきたわね……」


 雨音を聞きながら、肩を震わす由理ゆーりへ、


「じゃあ私が暖めてあげるね♪」


 ぴと♪と抱き付く季紗きさ

 美少女メイド同士が、メイド服越しに肌を重ねて温もり交換だ。


「……あの、暖かいっていうか、暑苦しいんだけど」

「え? 『寒い』っていったら『私を抱いて暖めて♪』っていうフラグじゃないの?」


 とにかく季紗お嬢様は、人肌の温度をご所望の様子です。


「素直になろうよ、由理。キスして、暖まりましょう♪」


 壁に由理の背中を押し付けて、ちゅぷ、ちゅぷ。

 舌で、由理の口の中の熱を味わう季紗。


「ふぁ、ぷふぅ……んん。き、季紗ぁ、まだ、仕事、ちゅ……う♪」

「だってぇ、雨でお客様少ないんだもん。欲求不満だよー♪」


 ちゅぷ、ずぶぶ。

 メイド服の胸元、リボンに季紗の白い指が掛かって……。


「な、なにえっちなコトしてんのさー!?」


 美緒奈みおなに見つからなかったら、大変なことに……、


「あ、あたしだって寒いんだからぁ。ぎゅって、抱き締めろよな……♪」


 ……あれ?

 さらにやって来たリズさんも。


「ずるいっ。私も、みんなをぎゅってしたい♪」


 胸のぷにぷにが加わった。


「ちゅぷっ、ふみゅ……っ♪ みんな、押しくらまんじゅうには、早過ぎるってばぁ♪」


 寒くなってきても、「リトル・ガーデン」の女の子は熱々のようです。

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