夏祭り編③ 真夏の夜の百合ぃ夢

 夏祭りの夜。

 お祭りの定番といえば、金魚すくいに、わたあめ、盆踊り。

 射的ゲームなんかも外せない。


 けれどやっぱり、百合メイド達にとって夏祭りといえば……。


「ちゅっ……んぷぅ。れちゅ、ずちゅるぅ……♪」

「んむぅ、んぷ……。こ、こら美緒奈みおな。ベトベトじゃないの、もう……」


 美緒奈と抱き合って百合キスしながら、唇べとべとな由理ゆーり

 浴衣の胸元にぽたっと落ちる、どろどろした液体は、ただし唾液ではありません。

 甘美で濃密な芳香を漂わせる淫蜜……ではなくて、リンゴ飴のシロップ。


「はふ、んぷぅ。じゅぷ、ぬぷぅ……♪ やっぱ2人で飴舐め合いっこは、夏祭りの定番だよな♪」

「自分のがあるでしょ、ばか……」


 由理の持った1個のリンゴ飴を、ピンクの舌を伸ばしてぺろぺろする美緒奈。

 頬っぺたぴったり密着で、キスしながら、左右から飴を舐めているのである。


 メインイベントの花火は、まだ始まらない。

 今宵はお店も早く閉めて、百合メイド達もお祭りに繰り出そう……となったわけだが。


 片付け中の季紗きさとリズより、少し先に店を出た2人。

 ちょっぴり我慢できなくなって、河川敷の木陰で百合キス。


「んぷぅ、るふぅ……♪ 唾液がシロップで甘くて……すげー美味いね。この食べ方最高だぜ♪」

「キスできればなんでもいいくせに。……ちゅっ♪」


 リンゴ飴を食べ終わっても、極甘でジューシィな唾液を交換し続ける由理と美緒奈。

 唇を吸いながら、2人、思うことは一緒。


(やば……。えっちな気分になってきちゃった)


 ※ ※ ※


 ムラムラしてしまったのは、百合メイド仲間の少女達の、こんな会話を聞いたせい。


「いいよね、夏祭り。毎年早百合とは、色んな思い出作ってるけど♪」

「ふふ、初めて私達が一線を越えたのもお祭りの時だったよね。あの夜のりりな、熱かったぁ♪」


 由理も美緒奈も、そんな話を聞いてしまったせいか。

 妙に、お互いの浴衣から覗く柔肌が、艶めかしく感じられて……ドキドキ。


「い、意識なんてしてないからね」


 木陰で百合キス&愛撫しながら、言わなくていいのに言っちゃう由理。

 夜でも分かるくらい、顔が赤い。


「ちょっと美緒奈。だ、黙らないでよ……」


 夜の河川敷。

 遠く聞こえる祭囃子が、心臓の音に掻き消される。


 唇の間、濡れた銀糸の橋がぽたりと土に落ちて。

 はっ、はっと、苦しそうに息をしていた美緒奈。

 由理の浴衣の裾をぎゅっと握り、見上げた顔は。


「……ねえ、由理。えっちしてみたいのって、変?」


 小学生みたいなツインテールロリ美少女の瞳には。

 オトナの情欲が宿っていた。


「あたし、赤ちゃんだって……産めるんだよ?」

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