コミケ特別編② 美緒奈様のコミケQ&A!

※この回は番外編。当時、夏コミ直前だったので、読者の皆さまから質問を頂き、それに美緒奈が答えるという回です。

 連載当時2015年の情報なので、あしからず。


 ※ ※ ※


 夜の百合メイド喫茶「リトル・ガーデン」にて。


美緒奈みおな「ごっきげんよー♪ 今夜はお店のお客様からもらったコミケの質問に、このあたし、皆のプリティ天使エンジェル美緒奈様が答えちゃうよ♪」


由理ゆーり「けっこういっぱい質問もらったわね。どれから始める?」


美緒奈「あ、質問の答えは全部同じだから。もう言っちゃうね、『百合キスすれば全て解決』!!! 以上☆」


由理「早っ!! なんの参考にもならないでしょそれ!?」


美緒奈「……なにさ、信じてねーの? 嘘だと思うなら、あ、あたしと……キスしてみな?」


由理「ふぇぇ今!? てか絶対嘘でしょ。だ、騙されないんだから……」


美緒奈「じー……」(頬を赤らめて)


由理「うぅ、そんな見つめられても……。も、もうっ、仕方ないなー」


 ……ちゅぅ。


〈しばらくお待ちください〉


 10分経過。


由理「だ、騙されたっ……。ん、んくぅ♪」(ビクンビクンしながら)


美緒奈「さーてテンション上がったとこで始めよっか♪ 季紗きさねえとリズねえも来たし」


季紗「むぅー、なんだか2人でお楽しみずるい……。それはさておき、最初はこの質問からね。『コミケで百合コーナーはどれくらいの広さなのでしょうか? また、オリジナルも2次創作も両方あるのでしょうか?』。どうなの美緒奈ちゃん?」


美緒奈「いい質問だ! まずね、オリジナルと2次創作は、どっちもあるよ。んで広さは、すっげー広いよ!!……って言いたいんだけどね」


リズ「言いたいんだけど?」


美緒奈「エロとかBLには勝てないかなぁ。正直百合の割合そんな多くない。ただコミケ自体がでっかいからね、あたし達高校生のお年玉くらいな予算は軽ーく飛ぶから。コミケの百合同人誌全部買うお金が有ったら、家は建てられると思うよ!」


由理「じゅうぶん巨大じゃん!? 百合だけでそんなか!」


リズ「私も今回美緒奈ちゃんに誘われて初めていくけど……3日間もあるのね。どの日にいけばいいの?」


美緒奈「あっ、それも最初の質問に関係してくるね。百合も色んなジャンルあるから、日によって変わるんだよねー。今回は、1日目(8月14日)が創作百合小説と、あと百合が多いジャンルは艦○れ、東○2次創作。2日目の土曜日がアニメ百合……プリ○ュアとかまど○ギとか、アイ○ツとか。3日目が創作百合漫画にラブ○イブ、アイ○スとか。毎年変わるんだけどね」


由理「ばらけてるわね。じゃ、全部欲しかったら3日行けってこと?」


美緒奈「どーせ全部買うなんて、アラブの石油王でもなきゃ無理だから。まずはカタログ買って、どの日に行くか絞らないとね!」


リズ「カタログって、これね。……電話帳みたいな厚さなんですけど」


季紗「1500頁くらい有るよ!? ……えっちなイラストもいっぱいだぁ♪」


美緒奈「……ん、まぁ、エロいのもかなり載ってるけど。いちおう18禁とかじゃないから。コミケ行く人は絶対買っときな。義務だと思った方がいいよ」


由理「前に美緒奈と行ったイベントは、カタログが入場料代わりだったわね。それと同じ?」


美緒奈「んにゃ、コミケは入場無料、カタログ買わなくても入れるけど。……1日で、サークルさんだけで1万サークルくらい有るんだぜ? 事前チェック無しに『ふらふらぶらついて、ビビッと来た本を買う♪』なんて無理だから。うん、ぜったい無理」


リズ「にしても、やっぱりエッチなイラスト多いわね……。こ、これ、普通の本屋で買えるの?」


美緒奈「ひょ、表紙は普通だから! 首都圏なら、ちょっと大きい本屋ならだいたい置いてるよ。地方の人は今から通販じゃ間に合わないだろうけど……いちおう当日も、会場で買える。けどカタログは、サークル紹介だけじゃなくて注意とかコミケの情報とか、前回の皆のレポートとか色々載ってて、読み物としても面白いから。なるべく皆に事前に買って、よーく読んどいて欲しいなっ☆」


由理「……なんか今日の美緒奈、セールスみたいね」


季紗「わっ、カタログ見てたら、こんなエッチなジャンルまで……。この国だいじょうぶかしら」


リズ「ふふ、季紗ちゃんには言われたくないと思うわ♪」


 ※ ※ ※


季紗「じゃ、次の質問行ってみよっか♪」


由理「まだ2つしか答えてないのか……。長いわねこれ」


美緒奈「ん、軽く後悔してる……」


リズ「と、とりあえず読むわね? 『朝、会場へ走ってる人たちって、どれくらいの時間に出発してるんでしょうか?』。ああ、テレビで視るわね。バッファローの群れみたいな……」


美緒奈「あれは最寄りの、東京国際展示場駅の始発だね。あの人達はまあ、近くのホテル取っておいたりとか、知り合いに泊めてもらったりとか……それくらい気合入ってる人たちだから。そこまでしても、先に徹夜組が並んでるっていうね!」


由理「今カタログ見てるけど……徹夜って禁止なんでしょ? なんでそんなにいるの?」


季紗「皆えっちな本が欲しいのね……。気持ちは、分からなくもない」


美緒奈「だめだよ季紗姉、徹夜行列は補導されっからね、マジで。それと言っとくけど、百合本はそんな徹夜とかしなくても買えるから。……ジャンルが大きくないみたいに見えて、ちょっと複雑だけど」


リズ「私、朝弱いのよね。始発でもちょっと辛いかも……」


美緒奈「大手の人気サークルとか、企業のブースとか行かない人は、昼頃来るんでも良いと思うよ。初心者が始発で来て、夏の炎天下何時間も開場待ちとか、死ぬから。『急がなくても、百合は買える』、これ、覚えといてね。……やっぱちょっと悔しいけど。とにかく徹夜ダメ絶対! 徹夜する奴は、うちのお店の兄弟店『ふんどしアニキ喫茶』で強制労働だよっ、ノンケでも!」


由理「そんな店有るの!? 危険過ぎる薫り!?」


 ※ ※ ※


由理「次の質問行こうか。『コミケは動き易い服装の方が良いのでしょうか? あとラッキースケベな展開は起きますか!?』。なんだラッキースケベって」


季紗「分かる分かるっ、期待しちゃうよね! 女の子いっぱいだもん、混雑でつい密着して、胸とか触れ合っちゃったり……ね♪」


美緒奈「その前に圧死するけどねコミケは☆ 3日間で60万人近くだぜ? ちっちゃな国より多いから。あと女の子多いのはBLのジャンルなので、あたし達とは趣味が合いません、たぶん」


リズ「両方好きな子もいると思うけど……うちのお店の早乙女さんみたいに」


美緒奈「それもそっか。でも男の人は諦めてね。BLブース歩いたらそれだけで、腐妄想の餌食にされるよ♪」


由理「セクハラとかより、そっちが先か。業が深い世界ね……」


美緒奈「で、服装ね。動き易さとか涼しさはもちろんだけど、夏は日焼け対策とか汗対策も忘れずにね。日傘とかは周りに迷惑がられるから、やめた方がいいけど。初めての人へのおすすめ装備なんかもカタログに載ってるから、これもカタログ要チェックだね」


季紗「全裸がいいと思うな私は♪」


由理「せっかくまともにまとまると思ったのに!?」


 ※ ※ ※


美緒奈「まだ続くよ!」


由理「えっと、次は……『コミケでお金を掛けない楽しみ方はありますか?』ですって。ああ、これも興味あるわね。さっき美緒奈は、『お年玉くらい軽く飛ぶ』って言ってたけど……」


季紗「やっぱり、百合キスするのが良いんじゃない? もしくはリズさんの胸を揉む!」


リズ「わ、私の胸で良ければ……。ちょっと恥ずかしいけど」


由理「それコミケでなくてもできる! いやそういう問題じゃない!?」


美緒奈「うん、百合キスはもちろんしないとね。女子限定だけどっ。あとはコスプレ広場があるから、見てるだけでも楽しいよ。……夏は例によって炎熱地獄だけど」


季紗「ゆっくり休めるスペースとかないのかな?」


美緒奈「無い(断言)。でも昼からは入退場自由だし、外には大道芸人さんとかも全国から集まってるから。それを見るのもお金掛けない楽しみ方じゃない? あとは……それまで興味無かったジャンルを覗いてみるとか。前に『すっごい混んでる』って言ったのと矛盾するみたいだけど、マイナーなジャンルなら、ゆっくり見ることできるからね」


由理「どうせ私達は、百合キスするんだろうけどね……」


 ※ ※ ※


美緒奈「長かったけど、これで本日最後の質問! 『おすすめの暑さ対策』!」


季紗「噂には聞いてるけど……そんなに暑いの?」


美緒奈「よく死人が出ねーなと毎年感心するくらいにはね! てなわけで暑さ対策っ。一番いいのは、『心を無にする』ことだよ!」


由理「修行か!?」


美緒奈「いや、修行より厳しいから。ここまで質問コーナーやっといてなんだけど、正直コミケ初めての人は、『夏はやめた方がいい』。冬コミなら命の危険は低いから、冬にしとけー」


リズ「あ、カタログにも『初心者は正午くらいからの来場をおすすめします』とか書いてある……」


美緒奈「とりあえずそーだね、会場内でも外でも使えるグッズとして、団扇は用意した方がいいよ。風が有るだけで違うからね。まっ、何はともあれ水分だな。お茶系は利尿作用もあるから、スポーツドリンクが一番いいと思う。塩飴とか、塩分補給も大事だよ。『砂漠に行くつもりで準備する』ことをすすめるっ」


由理「うん、カタログ読む限り、砂漠よりきつそうな感じはする。ところでさ、もらった質問はこれで終わりなんだけど……私からも、一個聞いていい?」


美緒奈「なにさ、改まって?」


由理「いやー、聞くからに過酷な感じなんだけど。そんなに大変ならさ、そもそも、なんでコミケ行くの?」


美緒奈「……決まってるじゃん、そんなの」


由理「……?」


美緒奈「百合が、好きだからだよ。言わせんな、ばかっ」


 ……ちゅう。

 甘い百合キスで、今夜もしめるのでした。

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