海百合の家へようこそ♪⑥ ひと夏の思い出(ほぼ百合キス)

 遊泳時間も残りわずか。

 せっかく海に来たので、


「泳ぎたいっ! 波に水着がさらわれるラッキースケベイベント発生させたいよ!」


 という季紗きさのリクエストに応え、海の家の仕事を交代しながら、真夏の午後の海を満喫するのだった。


 そして、今は由理ゆーりと、季紗、美緒奈みおなの3人が休憩中。

 ビーチを少し離れた岩陰で。


「……ちゅむ、ぷちゅ……ちゅぱちゅぱ♪」


 波打ち際、季紗と美緒奈が砂浜で、指を絡ませ、キスをしていた。


「ちょっと待て。他にすることないの?」


 ざざーん、ざざーんと寄せては返す波の音に合わせ、リズミカルに百合接吻ちゅぱちゅぱ音を立てる少女達へ。

 赤くなりつつ由理が指摘。


「海なんだから、他にすることあるでしょ。スイカ割りにビーチバレーに、砂でお城作ったり……」


 そう、海と言えば定番イベントがたっくさん有るはずなのだ。

 だのに……。


「なんでっ! 百合キスばっかりなのよぉぉぉぉぉ!?」

「ふふっ、だってぇ。砂浜にいると、開放的な気持ちになっちゃって♪」


 火照った水着姿を海水で濡らし、エロティックなキスに夢中な季紗と美緒奈。

 ようやく唇を離して。

 季紗がハァハァしながら解説。


「ほら、海は、私たち地球生命の揺りかごだから! 原始の記憶というか、遺伝子の中の何かが囁くんだよ! 海辺に来たら子作り的なえっちなコトを……キスしなきゃダメなのって!」

「そうそう、生命賛歌ってやつよ♪」


 美緒奈もツインテールをハッスルさせて欲情中。

 いつも以上に、意味の分からないことを言っている。


 そして乙女2人、熱っぽい瞳で由理を見上げて。


「ね……。由理も……♪」


 切なげに熱い吐息を漏らし、キスの誘惑。

 潮風に当てられてか、つい由理も、甘い感触が欲しくなっちゃったり。


(って、なんで私、すっごくキスしたくなってるのよぉっ!?)


 水着の季紗と美緒奈を見てると、どきどき。

 したい。彼女達と、唇を……。


「ま、まぁ、海辺でキスなんて、滅多にできないもんね? 珍しい体験してみるのも、いいかも知れないよね?」


 燃えるように熱い頬で羞じらいながら、変な言い訳をしてみた。


「ちゅぷぅぅ、はむぅぅ……。ふっ、くぅっ! 塩味の百合キス、美味しいね、由理♪ んぷぅ♪」

「くちゅ、くちゅくちゅぅ、ずちゅぅ♪ 美緒奈様にチュゥしてもらえるなんて、最高の思い出だろ? ありがたく思えよなっ。……ちゅぷっ♪」

「んはぅ、はぅ……んんっ♪ これは海のせい、海のせい……♪」


 というわけで。

 海のせいにしながら、3人で代わる代わる舌を舐め吸い合ったとさ。


 ※ ※ ※


 さらに。

 遊泳時間終了で、海の家の営業も終わってから。


「ふふ、帰る前にシャワー浴びましょうね、由理♪」

「ちょ、リズさん!? 水着脱げてるっ……」


 海の家の簡易シャワー室で。

 由理とリズ、カラダを流し合う。


「ちゅぅ……♪ んぐぅ、ふぅぅ……♪」


 もちろんここでも百合キス。

 愛撫し合い、接吻くちづけを交わす内に……2人とも水着がはだけ、全裸に。


 日差しと海の塩分で、ちょっぴり痛くなった素肌を、緩やかなシャワーの水流が癒す。

 石鹸は無いけど、優しい手つきでリズの胸を揉み洗いする。


「んく、ふぁっぁっ♪ ゆ、由理ったら、今日はえっち♪」


 乳を触られて、リズ嬉しそう。

 産まれたままの清らかな女体が、シャワーの粒を浴びつつ、抱き合って擦れ合う。


「はっ、んく……はぁ、ちゅぱぁっ……♪」


 裸でカラダをスリスリし合って百合キス……。

 ただのスキンシップをギリギリはみ出た行為に耽りながら、由理は、今日一日を振り返った。


 日焼け止め塗りながら百合キス。百合海の家で、色んな女の子と口移し百合キス。

 スイカの口移しでも百合キス。焼きそば口移しでまた百合キス。

 美緒奈に季紗と、とくに理由も無く百合キス。そしてシャワーを浴びながら、リズと裸で百合キス。


(百合キスの記憶しかない!?)


 それでいいのか夏の思い出。

 でも、


「ちゅぅ……ふぁぅ♪ んくっ、ずぷんっ……♪」


 幸せそうに舌を挿入してくるリズの笑顔を間近で見ていると、


「……ま、いっか」


 百合キスより素敵な思い出なんて無いような、そんな気がしてくる……くらいには、由理は染まってるのでした。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る