百合キス占いはいかが?

 百合メイド喫茶「リトル・ガーデン」、ある日の開店前。


「へえ、季紗きさ美緒奈みおなも、占いなんて興味あるんだ?」


 雑誌の占いコーナーに見入る2人に、普通の女の子なトコ、有るのね……と、由理ゆーりは感心する。


「うん、えっとね……」


 真剣に雑誌を読みふける、清楚系お嬢様メイドの季紗。


「百合キス占いとか出来ないかなって、考えてたの」

「またくだらないこと思いついたわね……」


 脱力する由理はさておき、季紗、赤毛ツインテールのロリメイド、美緒奈の手を握って。


「うん、やってみよう美緒奈ちゃん!」


 ちゅっ……と、唇を重ねた。


「ちゅぷん、ふぁ♪ 季紗姉、いきなり、舌ぁ……♪」

「くぷ、ちゅふぅ……♪ んく、くちゅぅ……♪」


 赤くなる自称ノンケ、由理の眼前で、少女メイド同士の、濃厚接吻光景が始まった。

 ぴちゃん、ぴちゃんと淫靡な水音を立てて、季紗と美緒奈が、舌と唾液を求め合う。


「ぢゅるぅぅ♪ んっ、わかったよ美緒奈ちゃん!」


 唇と唇の間に銀糸を垂らしながら、季紗が閃く。


「貴女は今日! イチゴ味の歯磨き粉を使いましたねっ?」

「す、すっげー何で分かるの!? 季紗ねえ、本物の占い師みたい!」


 ツインテールをぴょこぴょこ揺らして感動する美緒奈へ、由理ツッコむ。


「いやそれ占いじゃないし」

「ふふ、由理もやってみようよ♪」


 やればわかる!と瞳を輝かせる季紗、今度は由理の手を握って、そのまま、


「……ちゅぅっ、ん♪」

「むぷぅ!? んっ……」


 柔らかな桃色の唇を、押し当ててきた。


「ちゅ、んっ! ぢゅ……りゅぅっ、ん!?」

「くぷっ、りゅくぅ……♪ ふぅっ、んふ……♪」


 季紗の可憐な顔立ちが、零距離の近さに。

 亜麻色の髪から、華奢なカラダから、立ち昇る甘い匂いが、由理の胸を奇妙に高鳴らせる。


(ふぁ……し、舌が、生き物みたいにぃ……♪)


 じゅる……じゅる……じゅるり。

 舌がお口の中を這いずり回る、淫らな電流に、由理はついうっとり……。


「って、てぇ!? 私は、ノンケなんだってばー!?」


 一般人へ戻れなくなる前に、慌てて季紗のカラダを押しのける由理。


「で、で? ……なにか、占えたの?」


 動揺してませんから、と腕組みで平静を装いつつ、由理がたずねると。

 季紗は、名残惜しそうに唾液の糸をペロリして、


「ん♪ キスに夢中で、考えてなかったよぅ♪」

「あ、あんたねぇー!?」

「じゃ、じゃあ次あたし! あたしが占ってやんよ!」


 なぜか頬を染めながら、美緒奈が手を挙げた。

 ツインテールの毛先を指で弄って、由理の前でもじもじ。


「れ、恋愛運。恋占いとか、どう……?」


 赤くなりながら、由理の返事を聞くより早く。


「……ちゅぅっ、んー、む」


 背伸びして、キスしてきた。


「ちゅっ、ふぁ……♪ んぷ、む、くぅっ……♪」

「ちゅぱぁ、むん……♪ ば、ばかぁ、美緒奈もっ……舌、挿れ過ぎぃ……」


 百合メイド喫茶「リトル・ガーデン」、今日はまだ開店前なのに。

 もう目いっぱい口を吸われ、由理が羞じらう。


「う、うっせー。ふ、深くキス、しないとぉ……ちゃんと、占えない、だろ……?」


 肺の中の酸素と二酸化炭素を、由理と取り替えっこしながら、美緒奈。

 もっと深く、舌を挿入してきた。


「ふにゃぁぁ♪ や、らめぇ、こんなっ……ディープなぁ♪」

「ちゅぷんっ、くちゅっ♪ ずちゅっ、ずちゅっ……♪」


 ……そして、百合キス占いの結果は。

 美緒奈、耳まで真っ赤にしてうつむきながら、


「……ん。由理は、恋愛運が絶好調だな。意中の子と百合キスすると、もっと絆が深まってベストだぞ?」

「ば、ばか。普通は、キスできるなら、恋占い要らないでしょうが」


 由理が睨んでやると、美緒奈はキュートな八重歯を覗かせて、


「こ、細けーこと気にすんなっての。それよりっ、もっと美緒奈様とキスしたら……運気上昇だぞっ」


 キスをせがんでくるけど、由理は断る。


「いや、いい。これ、あんたとしか仲が深まらないじゃん」

「なっ!? 不満なのかよぉぉ!!」


 と、ケンカが始まる前に、リズがやって来た。


「皆、もうすぐ開店よ。準備は出来てるかしら」


 ドリルな縦ロール、金髪巨乳メイドのリズ。

 その手を取って美緒奈、由理へべー、と舌を出す。


「ふんっ、いいよーだリズねえとキスするからっ。リズ姉、占ってあげるね♪」

「ちゅぷぅ♪ んっ、にゃ、なに、いきなりぃ……?」


 美緒奈がリズの唇を舌で割り開けると、横から季紗も加わってくる。


「ふふ、私も♪ リズさんとキスするぅ♪」

「ふにゃぁぁん♪ く、ちゅぅぅ……っ♪」


 清楚系メイドの季紗と、ロリメイド美緒奈の2人が、金髪メイドリズのカラダを左右からサンドイッチし……交互に接吻。

 状況の飲み込めないリズさんへ、媚薬みたいな唾液を飲み込ませる。

 しっかりと、たわわなお胸も愛撫しながら。


「ちゅ、ふぁ、むぷんっ♪ ど、どうしたの2人ともぉ♪ 開店前から、お仕事(百合キス)熱心……♪」

「んっ、ちゅぱぁ、ぢゅ、りゅぷん♪ ん……リズ姉とキスすると……金運が上がる気がする!」


 占ってあげると言いつつ、唾液といっしょに運気を吸い取るみたいなキスをする美緒奈。

 季紗の方は、


「それってリズさんが金髪だから、とか?」


 首を傾げながらも、負けじとリズの唇を吸った。


「ちゅぱぁ、んー、んふぅぅ……っ♪ む、くぷぅぅ……♪ や、らめぇ、まだ、お仕事前、なのにいぃ♪」


 メイド服汚れちゃう♪とえっちな声を上げるリズさん……。


「ちゅぷっ♪ むきゅ、きゅぷぅっ♪ ずっぷ、ずちゅぅ……♪」

「ぐちゅ、ぐちゅ……ずぶん♪ は、ふぅぅ……♪」


 もはや何を占ってるのか分からないが、絆だけは確かに深まっている。

 2人に色々吸われるリズさんが、頬を赤く染め、トロトロになってるので、由理も、


「う……」


 ムラムラ、


「し、してないっ! ドキドキなんてしてないけどっ」


 赤面して叫んだ。


「……ゆ、百合キス占いなんて信じないけど? き、金運アップは気になるというか。だ、だから私、別に、リズさんとキスしたいとかじゃ、ないんだけどね?」


 前髪をくるくる指で弄りつつ、キスの輪に加わった。そんな、自称ノンケ。


「……ちゅ、んふ。ちゅぷ、ふぅぅ……っ♪」

「うにゃぁ!? ゆ、由理ちゃん、までぇ♪」


 ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ。

 ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ。

 ちゅぅっ、ちゅぅっ、ちゅぅっ、ちゅぅっ、ちゅぅっ(以下エンドレス)

 由理が、季紗が、美緒奈が、代わる代わる休む間もなく、唾液を交換して愛の糸を垂らして来るので、


「ふぇぇ、せ、説明してー!?」


 困りながらもリズさんは、嬉しそうに表情を蕩けさせるのだった。

 ……百合メイド喫茶「リトル・ガーデン」。

 女の子同士での恋愛運を知りたい時は、百合メイドたちに頼めば、きっとキスで占ってくれます。

 キスで。

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