第28話 コボルトを捕まえて
どうも。キーンです。今ちょっと興奮してます。
成人になる16歳までは現状維持だ。これが最低条件。なんて格好つけてたのに、やっちゃいました!あと5年くらいあるんですよ?そんなプレイに耐えられるほどドMじゃないんで!
それでも結構我慢したんです。でも先にナイフだけ買っちゃおうかな?ナイフぐらいまでならいいよね?なんてチラチラと考えてたら、もうどんどん欲しくなってきちゃいましたよ!
いやー男ならナイフってやっぱりアレじゃん?胸に刺さるものがあるじゃん?ナイフだけに!・・・ごめんなさい。ちょっと興奮していました。
まあ、とにかくそこまでいくともう買っちゃうよね。ってか買う以外の選択肢ってなくない?逆に聞くけど買わない人って・・・いるの?
そしたら次はあれ買っちゃおうかな?そうだ、これも必要だ!なんて感じでどんどんエスカレートしちゃうよね?
わかってる!みなまで言わないでくれ!そうだよ。元45歳のおっさんだなんていっても所詮は欲にまみれた俗人。意思の弱さモロ出しですよ!
でもやりたかったんだよ!ちくしょおぉ。俺は許してくれなんて言わないからな。友達同士なら言わなくてもわかってくれてると思うタイプなんだよ。
ふう。コボルトを地獄に送ってテンションが変になってるな。そういえばさ、殺さなければ殺される。生きるためには仕方なかった的なノリで魔物だのなんだのを嬉々として葬っていくファンタジーものってよくあるけど、とうとう俺もそのお仲間になっちまったということになるのかな?
でもあれって実際微妙だよね。明らかにやりすぎなのが多いよね?もう途中から自分のレベルアップのためとか好き嫌いでやっちゃってるもんね。
相手を殺さなくても自分は殺されない。生きるために必要ってわけでもない。でも殺す!全ては俺の欲望のために!そんな感じかな?
こえぇ。俺のなかにバケモノが生まれようとしている。少なくとも一歩踏み出したのは間違いないと思う。
俺が次に転生するのはコボルトかもしれないぞ?だとしたらどうする?
仮に天国があったとしても、俺みたいなヤツは入り口でボコボコにされるだろう。ごめんなさい。魔物のみなさん。いただきますの精神で大事な糧にさせていただきます。もし次また転生してみなさんのお仲間になったら仲良くしてくださいね。
ふぅ。やっと少し興奮が収まってきた。王都の外壁が見えてきた。なんとか無事帰ってこれたよ。お腹すいたし、結構歩いて足の裏が痛い。でもこれからは定期的にこれを続ける。薬草もちゃんと探さないとな。小銭も稼げてちょうどいいし。
守衛さん。ごくろうさまです!薬草は見つかりませんでしたよ。いやぁまいったなぁと門を潜る。
ようやく安全地帯へ戻ってきたぜ。これで今日から俺もいっぱしの戦士かな?戦場から帰って来たんだからもう戦士でいいよね?名刺作って、職業欄に戦士って書いたら笑われるかな?どうもこんにちは。戦士のキーンです。
貴族なんかはシャレが通じないからな。そんな名刺を配ったら、どれ戦士とやらの実力を見せてもらうなんて言って、凄腕の騎士と決闘させられるかもしれない。名刺の件は俺の胸の内で葬っておこう。
フランお嬢様あたりなら笑ってくれるかもしれない。あれ?そういえば最近見かけないな。まあどうでもいいか。元気でやってるということにしよう。うん。それがいい。
「どけ!ガキ!」
うぉい!危ないなぁ。いまのは騎士か?お馬さんで大暴れだなオイ。こんな街中で乗馬の練習だなんて随分熱心だな。ってそんなわけはないよね。緊急事態でも発生したのかしらん。
あんなのに跳ねられたら伸身2回宙返りにひねりを入れられるくらいの高さまで飛ばされちまうよ。街のなかも危険がいっぱい。安全地帯なんてありゃしないってことか。さっさと寮に帰るとしましょう。買い食いするお金の余裕もないしね。
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