第293話今はとて
なぬかの夜のあかつきによめる
今はとて
わかるる時は
天河
わたらぬ先に
そでぞひぢぬる
源むねゆき朝臣 古今182
七月七日の夜が更けて、暁に詠んだ歌
今はこれで と別れる時に
天の川を渡る前に 私の袖は涙で濡れてしまいました
彦星の立場で、詠んでいる。
確かに、また長い間逢えないと辛さは、よくわかる。
※源むねゆき朝臣:光孝天皇の孫。是忠親王の子(三十六歌仙)。
紀貫之や伊勢とも親交があった。
生誕は不明、天慶2年(940年)没。
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