俺の戻った日常
目を覚ますとそこにはいつもと変わらぬ天井があった。
昨日よりずいぶんと目覚めがいい。これは間違いなく俺の気持ちが反映されている。
そう思うと、心は自然にすっきりとし、軽くなった。
そのおかげか、重かった体も急に軽くなって遅刻とは程遠くなるような時間に学校を出ることができた。
三人で作戦会議を今日行う予定を、昨日の帰り際に俺らは決めていた。
しまった、いつ決めるのか聞き忘れた。
別に集まったときに決めればいい話か。
今日はフラグを立てないように早く登校しよう。
はっ、これがすでにフラグだ。なんていうのはどうでもいいから早く登校しよう。
フラグを立てたくせに特にイベントも起こらず駅に着いた。
所詮、現実世界はこういうものですよね。でもさ、じゃんけんの時に張り切っている奴が大抵負けるというのはどういうことなのでしょう。
つまりこの世は科学だけでは説明できないということだな。そして頭いいぶっている奴ほど大抵無知。だから俺もナルシストがいたら心の中で密かに大爆笑してやろう。 孔子にもこんなのがあったな。ひねくれなどいないと思うが。
いつも通りの考えをしていると、駅もこれ以上聞きたくないのか電車がいつもより2分早く来た。
もしそうならこれからずっとひねくれてやろう。
なんとかならないかな、ドラえも~ん。どうにもなりません。
自分に嫌気がさして下を向き十数秒。
ピー、ガッシャン。
ん、なんだろう、これは。冷や汗が止まらないんですけど。
駅だと思っていたが違うのか、電車なのか。
そんな思いなどつゆ知らず、電車は非情にもいなくなってしまった。
上をむ~いて息をは~く。涙がこぼれ~ないよ~うに。
諦めて、椅子に座りました。フラグって怖い。
遅刻10分前にはなんとか学校に着くことができた。
それにしても不幸は永遠だな。必ず何かしらのトラブルが起きる。
授業には久しぶりに集中することができた。
先生も直接俺には聞いてこなかったが、ちらちらとこちらを見ては微笑んでいた。
こっちとしてもそれだけなら嬉しかったんだが、周りの同級生の目が痛かった。
朝起きたらアニメみたいに腫れが治っているかなと思ったのが間違いだったんだ。鏡を見たらばんばんに腫れてた。
その結果、白い目では見られなかったけど、休み時間などに俺や快をちらちらと見ては隣の人とひそひそ話されるという辱めを受けた。
悪いことをしているわけではないと分かってはいるんだけど、どうにも落ち着くことができないんだよな。
快はそんなこと全く気にしていない雰囲気で、堂々と歩いてきた。
「おいどうした、何かあったか?」
「お前良く平気だな、こんなに周りから見られてはひそひそ話されているのに」
快は信じていないような感じで周りを見たが、一周した後、いきなり震えだした。
「おい、お前まさか……」
その先は続かなかった。
快は教室を出てトイレへ走って行った。
うん、まあいいかな。
というか、長い間、全く気付かなかったのか?
イケメンだけど、チキンで鈍感野郎か。
昨日、散々俺に説教垂れていたのに……。あんな人に説教されていた俺って一体何だったんだろうか。
せめて後からからかってやろうと椅子に座って待った。ヒソヒソ話を重く受け流しながら。
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