第41話 デイケアについて、そして引きこもりの人へ

精神科にはデイケア、というものがある。


デイケア、というと高齢者のそれを想像する方も多いと思われる。


確かにやることは似ている。


塗り絵だとか、簡単な木工細工とか調理実習。変わったプログラムだとカラオケなんかもあったりする。


鋏などの刃物は職員が厳重に保管する。

プログラム中はスマホをいじったりしてはいけない、など幾つかの縛りはあるが、まあ、気晴らしにはなる。

費用は収入や加入してある制度(自己支援なんたらなど)次第で変わるが、私の場合、大体500円で一日いられる居場所の一つである。


ソファベッドが二つあるので、体調が悪くなれば寝れる、という利点もある。


参加するかしないかは自由意思になる。

常連さんも居れば、私のような入院患者や、たまーにしか来ない人もいたりする。


大体は病院に併設されているケースが多い。


一口にデイケアといっても所変われば、人も、やるプログラムもスタッフの人柄も変わるので、自分が気にいるところを見つけるのは、なかなかしんどいかもしれない。


そんなところも高齢者デイケアと似ているかも。


まあ、気晴らしのために行く場所であって、ストレスを溜めにいく場所ではない、というところを押さえるべきかな。


引きこもりの支援事業としての側面もあるので、もしご家族に引きこもりの方がいらっしゃるなら、区の窓口に問い合わせるのも有りかもしれない。


ちなみにその場合は


精神科(心療内科)に連れて行く→デイケアが必要だと診断してもらう


この流れは外せない。


病名がつくことに抵抗感があるばかりに、家族も本人も辛くなっていく、という現実があることも知っている。


もし、あなたが引きこもりなら

あなたの家族か引きこもりなら


病名がつく事はマイナスだけなのか?


を、今一度考えてみて欲しい。


私は病気を理由にして仕事を辞めることが出来たし、


「なんで働かないの?」


と問われたとき


「実は持病があって、ドクターストップがかかってるんです」


と堂々と胸を張って言える。


もちろんそう出来るようになるまでに紆余曲折はあったが、病名がある、ということが私を助けてくれている。


直ぐでなくていい。デイケア、という居場所もあることを知っておいて欲しい。


自分を責めるより、

自殺ばかりを考えるより、

少しは明るい道がデイケアなのではないか。


私はデイケアについては、そんな風に思っている。

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