第15話 入院十五日目「決定! 部屋移動」
朝の総回診のとき、晴美さんのマシンガントークに悩まされている件を医師と看護師さんたちに改めて伝える。
今日はお風呂の日。さっぱりできる。
NHKの朝ドラ「花子とアン」で息子のあゆむくんが死んでしまったことに驚く。私の周りは今、ベビーラッシュ(親友も出産したばかり)なのだが、赤子や幼子が亡くなるくらい辛いことはないよな……と思う。
昼、医師や看護師に相談したことが功を奏したのか部屋を移ることになった旨が伝えられる。
中学生の優香ちゃんや柴咲コウ似の美香さん、ムーミンのステテコがかわいいりえさんと同室になるらしい。
水道やトイレは大人数で使うことになるので不自由になるだろうが、気もちの方は大分楽になると思う。
今日も娯楽室で一リットルの涙を見て美香さんとだーだー涙を流す。
毎日再放送をやっているので、おそらく最終回まで私たちは毎日泣き暮らすことになる。
でも、涙を流すって一種のデトックスなのか、顔が腫れるのが難点だが、不思議と泣いた後は一種の爽快感がある。
こういうストレス解消法もあるのだ。
午後、母が面会に来たが、すごく疲れた顔をしていて、実際うつらうつらしていた。
「母さん、肩もむね」
「ん」
実は私はマッサージが得意だ。
母の肩に手をやって、もみほぐし、解きほぐそうとする。
だが、母の肩甲骨はかちこちで、筋肉が骨に強固に張り付き、なかなか緩む様子はない。
苦労を、かけている。
「あー、気持ちい。真世マッサージ師さんになればいいのに」
「……なれるかなあ」
「なれるかもよ」
そんな話をしながら時間を過ごした。
母も還暦前とはいえ、もう五十七歳。
大分年を取った。
私がもう少ししっかりしないと。
家事を手伝ったら母の助けになるかなあ。
今日の朝食
ご飯、豆腐の味噌汁、温泉卵、かぶの煮物
今日の処方
昨日と同じ
追記
夕ご飯の後、またもやマシンガントークの晴美さんに付きまとわれて困ってしまった。
夢にも出てくるし……。
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