旅に出ることにした

作者 44

8

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★★★ Excellent!!!

世界は羽根を獲得し、空へと上がった。
そんな星でのお話。

主人公はポンコツAIを友として旅をする。

「目的地はどこですか」
「ないよ、目的地はない」

ゆっくりと進む時間に足を揃え、ゆったりと歩む1人と1人。

作者は優しい語りで旅路を描く。
が。旅は決して単純な話に終わらない。

ヒトとは何か。機械とはナニか。
感情の環状線で甘くて苦いSFをあなたに。

★★★ Excellent!!!

まずなによりも、文体が優れている。読みやすく、心地いい。過不足なく、そして読む人を別の世界に誘う力を持っている。

捨てられたロボット、ララを巡る状況。本当に胸が締め付けられるし、悲しい。
ララの勘違い、顔がない理由、組み上げられた場面設定は、とても美しく噛み合っている。

この悲しみを、乗り越えていく術を主人公が持っているのならば、見せて欲しい。

こういう丹念に作られたものを描き出すのは、時間がかかるというのはわかりますが、早く続きが見たい。

あと個人的に思うことなんですが、このタイトルは、この小説が持っている内容に対して、あっさりし過ぎていると思う。この小説の内容が持っているものは、もっと豊かだし、なんというか、ゴージャスだと思います。ララの思い描いていた世界が、色鮮やかだったように。だから、もう少し人目につくような、欲を出したタイトルにしてもいいと思います。