花の簪

作者 たびー

81

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★★★ Excellent!!!

遠く異国に嫁いだ、容姿に恵まれない姫。
王宮に雇われし、楽士。
二人の間を強く結んだのは、歌うこと。
ウードの音色も、二人の歌声も、聴こえないはずの音楽が心に浸透し届くようです。
若干十七歳の、いわば娘といってもいい姫の意思の強さと、楽士の想いが涙を誘います。
是非、この儚く切ない物語を読んで頂きたい。
おススメです!!

★★★ Excellent!!!

いやー、なんて美しくも儚い物語なのでしょう。
異国から嫁いできた天性の歌声を持つ姫と、声変わりを避けるため男を捨てた楽士との、性別、身分、生まれ、そのすべてを超越した師弟関係に涙しました。
地の文も世界観もとても読ませます。
まるでオードパルファムのような小説でした。
ラストノートまでの展開の盛り上がり方が、まるで濃厚な薔薇がパッと花開くようなのです。
とても引き込まれました。

★★★ Excellent!!!

 殆どのヒロインが美しい容姿をしている(自分で書いているものも含めて……)中で、容姿には恵まれていない姫。
 主人公も力や特別な才能があるわけではない。
 剣や魔法があるわけでもない。
 それでも惹かれる美しい物語。
 姫の歌が認められ、幸せになって欲しい。
 そう願っています。

★★★ Excellent!!!

大国より遠く離れた砂漠のオアシスへ和平の印に贈られたのは、容姿に恵まれぬ姫でした。
才能を秘めながら寡黙の中に自分を隠し、ちっとも笑わぬその姫は、王のハレムでウード弾きの歌人と出会います。乾いた砂を渡る風の中、黄金の陽に照らされ、ひっそりと咲いていた東洋の小花。西と東の交わる所で歌い継がれた物語(バラッド)に、耳を傾けてはみませんか?

舞台を構成する文章に華があります。読み進むうち、あっという間に異国情緒あふれる小国へ誘われてしまいました。素直に素敵です。
続きを想像しながら、物語が進むのを待ちたいと思います。

★★★ Excellent!!!

沙漠の交易路の宿場町で、老いたうたびとが、
思いがけず高く澄んだ声で歌物語を紡ぎ出す。
彼の若かりし日、仕えていた王宮。
そこに嫁いできた、ひどく醜い東の国の姫のこと。

まるで唐代シルクロードのオアシス都市国家のような、
東西交通の要衝に建ち、急速に発展したその王国に、
和平交渉成立の証として、某国の姫君が送られてきた。
彼女の持ち物は豪奢で、絹や螺鈿、漆細工など。

と、風情のない歴史の教科書のような書き方をしてしまって、
(実際はもっとちまちまやらかしていた分析を削除した)
研究者型東洋史マニアの自分に、ちょっと嫌気が差した。
本作の魅力は、情緒と哀愁に満ちた世界観だというのに。

ウードの調べと柔らかな語り口に魅せられて、
物語の続きが楽しみでならない。
はるか一千年以上の古きユーラシア大陸のような、
異世界ファンタジーの王国史の空気が、すごく好きだ。

★★★ Excellent!!!

 まだ始まったばかりなのですが、文章から溢れ出る情景の素晴らしさに、ついレビューしたくなりました。
 物語の語り手はウードを弾く楽師。仕えている身ですので、傍観者でいるしかありません。その彼の口を借りて綴られる言葉は穏やかなのですが、どことなく張り詰めた後宮の雰囲気がひしひしと伝わってきます。
 これからの展開が、とても楽しみな作品です。
 ぜひ、ご一緒に、この物語を追っていってみませんか?