第11話 

    *    * 閑話休題 *    *   

    

 これは尋問では?されつつある有馬美佳は、何故貴方は他校のクラス開催の茶店手伝いへ、さらに「イタリアンメイド茶店パイスタ」この正式名称はまずくない?なのである。

その追及に何故美佳が?その内容を聞かれても解らないよねって聞いたら、当日が日曜日だったので私的にお手伝いに行っちゃいました「他に同級生2名の同行」と、しっぽを出してしっぽを掴まれた所です。さあ、キリキリと洗いざらい吐いてもらいましょうって感じでしょうか?


美佳「ええっと、イタリアンメイドスタイルの衣装が、可愛く似合っているって坂上先輩に言われた所はいらないですよね・・ 」


ここ居る者達は南城加奈が通っている、成敬北上々峰高校の生徒会室の中でそこのメンバーだ・・そんな幹丈会長も椎名副会長も、その言で最初からげんなりしていた。何言ってんだ坂上祐介!ここでの話しの進みが悪いのは、ほとんどお前の余計な発言だよ。知りたいのはそこじゃねぇ!っと、ここは目に物を言わせて先を促している。

その知りたい所とは、活動内容の話しでいいんですよね?美佳はもう一度確認を済ました。


美佳「都立成敬中央高等高校の文化祭で、課外クは応援として坂上先輩のクラス催事を手伝いました。あくまでも応援なのです・・発案であったプロセスを煮詰め、行動計画を作って実行させながら、実動部隊としてすべての調理を熟し、中下高生徒会に自ら提出した採算計上額を達成させました。加奈ちゃんが遣ってたのってこんなとこですよ?」

椎名副会長「・・こんなとこって言いますけど・・随分と遣ってますよ。大部分に顔を突っ込んじゃってると思うんですけど・・」

美佳「そうですか?それでも準備期間中にあった、別件な課外クの仕事を遣ってましたから、会場の準備はそれなりだって言ってましたよ。当日のスタートに必要な具材は、買担である坂上先輩の仕入です。メイド服の用意とカスタムは、京子姉さまが担当でした。大物食器や鍋釜を営業中に移動したのは、坂上先輩がほとんど遣ってましたし、メイド服で学校をのし歩きお客さんを釣って来たのは私達です。この遣り方は加奈ちゃんの案ですけど。」

幹丈会長「そのそれは、客引きみたいな行動なのかな?」

美佳「違います。茶店の衣装がギリギリに出来上がったので、担任教諭に確認を取って貰う為に、職員室に出向いただけです。もちろん職員室でも好評、行きと帰りの経路が校内をあっちこっちしてしまったのは、校内で迷ったのが原因です。自分の学校で迷うって、おちゃめなとこがまた良かったりしてましたよ?」

椎名副会長「・・何故疑問形になった」

幹丈会長「・・お客さんを釣って来たと、口を滑らせているのだが」

美佳「それと分化でなく飲食の催事での目標達成だったり、最短時間での達成もありで、速やかに撤収作業も出来たのもプラス評価で良かったと聞いてます。それが幸か不幸か後に生徒会の補助要請を、他よりも数多く依頼されてしまったり、ボランティア部の応援を強いられたり、文芸部の問題も処理しましたね。ほとんど主に坂上先輩がこなしてますけど。」

幹丈会長「まあ、聞かせて貰った限りの内容でも、素直に評価に値するとは思うけど、その応援は課外クが遣るべき事だったのか?で、そこが一番重要な訳ですよ。」

美佳「あーその辺の・・課外クが応援に至った経緯が知りたい事ですね?その辺は当事者に聞くのが一番なのですが、難しい問題なので簡単に口を割るかどうか・・旨く丸め込んでから聞くのが良いのですが、いくらか長電話になっても宜しければ、今聞いてみますけど?」


それは肝心要の肝なので、多少時間がかかっても知る必要があると、幹丈会長は美佳に申し出る。となれば美佳は祐介に、お聞きしたい事があるのでとメールを送ると、即座に祐介から美佳の携帯に着信があった。


美佳「もしもし美佳です。すいませんお電話頂きまして・・はい、用件もありましたし先日の食事のお礼もまだでしたので・・ええ、とっても美味しかったです。ご一緒出来て運が良かったと思っていましたし、事前にご使用人の方が私の両親の了解を・・クラウンメロンまで箱で頂いちゃいまして、感謝感激でした。その時に使用人の方からのお話しで、リクエストに答えるほうが助かるって?そうですか、食べたい物が合ったら伝えてほしいって事ですね・・そんなに食べれませんので、時々の旬の物で構いませんけど・・はい、それで大丈夫です。それで用件とは以前に手伝わせて頂きました文化祭の事で・・何故私に白羽の矢が・・そうなんですか?私が可愛いから適当な理由であの時にナンパをしたと・・仲良くしたかったから理由は何でも良かったと・・捕まってしまった私には逃げ道はもうないと・・トリプルでアイスが食べたい心境です。太らない・・うっかり忘れるとこでしたが、課外クが催事に参加した理由って何ですか?」

椎名副会長「うっ・・散々遠回りしていて最後はストレートに聞くか?」

美佳「ああー・・あー・・それでなんですね。解りました・・ええ、それはですね。北上校の生徒会の方々が、その件を知りたいと仰りまして・・はい。そう伝えます・・え?そんな心配は・・はい、大丈夫です。それに金曜日にはそちらに伺いますので・・すぐに顔が見れますよ。それでは」


長かった・・時間で測ればそんなでもないのだろうけど、聞かされた内容が内容なだけに、なんとも長く感じた幹丈会長と椎名副会長であった。とにかく気を持ち直してさっさと言いやがれと美佳を睨んだ。


美佳「課外クの顧問の教諭が、こちらの加奈ちゃんの担任と打ち合わせた結論で、遣る事ないのはシャレになんないから、応援でいいから何か遣れって事でしたよ。学校側の指示で間違いないですよね?」

幹丈会長「その打ち合わせがあったのか・・こちらは全然聞いていませんよ。」

美佳「合ったみたいですよ。加奈ちゃんは出先での活動ですから、そこに学校側も干渉しずらいでしょうし、メンドクサイって事もあるんじゃないですか。今の様に生徒会側に伝わっていない事が気がかりになっているのなら、知ってる案件なら説明出来ますけど?」それを効くのが怖いとの事で、そっちはまた今度に。        

            閑話休題 終わり

 

そこでポフっと回想終わり!


とゆるキャラ人形が、祐介の鼻の上あたりにヒット!こんな勢いでは、反撃するのを遠慮したいくらいの弱々しい当たりだ。

これを投げた京子に目を向けると、ちゃんとしなさい!と言わんばかりの表情だった。そこで・・ですよねー・・。

祐介達は先程から自分達の教室で、課外クの部長待ちをしている。来週末のC・T・S セミナーは、今週の土曜日に機材搬入と設置の予定になっているのだが、相手先から唐突な依頼変更が届き、課外クの対応も多少の変更を余儀なくされたのだ。


祐介「その送られてきた依頼変更の書類は、さらっと程度に目は通したけど、まったく解らん内容だった。」

美佳「・・えっ?」

祐介「あっ、違うからな。オレがバカで理解出来なかったとかそんなんじゃないぞ。C・T・S セミナーの詳細をまったく理解してなく、自分の憶測で作った内容をよりベストな改善策として、こっちに押し付けて来たって感じかな。」

京子「なんだ・・祐介は素直にバカなんだと思っちゃった、テヘ!」

祐介「可愛く憎たらしいぞコンヤロ!そんな素直は要らない。あれだよ、内容ってのを例えると、DVDの映画を2箇所同時に流したいから、そんな感じの設置でやって貰い2会場を2組体制でパパットやっちゃって下さい。必要ならこちらからも、助成要員を出します。みたいな」

美佳「そこで出来過ぎなお助け要員が付くと、さらに坂上先輩が不要になってしまうのが困るってことですね?今以上に・・」

祐介「ちっがうよ!なんでそんなつまらない仕事に、しがみ付いているのオレ?そこは遣れるなら、わざわざ頼むなって話だろ?あっちの勘違いは音声付メディアファイルを、再生機器1台とモニター2台で同時上映する方式は、以前の機会で確認してますよって言いたかったのだと思う。」

加奈「これは、2会場の設置に私が付いて行けば、いいと言うことですね。私達・・わざと引き離すなんて、姑息な事考える嫌な会長さんです。」


それは在るかも知れないが、ここはスルーだな。まずこの話しが進まないし・・


祐介「・・オレってけっこうな苦労人だな。こんなに噛み合わない会話をしながら、卒なく仕事はこなしてるって凄いな。とにかく、C・T・S セミナーはスライド方式の毎回講義と質回答進行だから、第1会場では映像機を使って音声も別に流す。その映像を出力コードで分波器に配線して、第2の設置モニターに入力して映す。第1会場の音声を出力させて放送部で受取り、校内放送での個別塔放送で第2に・・こんなもんか。」

美佳「何を言われているのかさっぱり解りませんが、出来る人だとは思っていますのでお任せします。その都度適所適材の指示で宜しくです。」

祐介「あー了解!みんなは、オレのそばに居ればいい。あのバカ会長は映画観賞との勘違いだな・・2箇所の会場を延々と音声ケーブルで繋いで、そのケーブル代金を請求したら驚くだろうな。」

京子「人員の助成も受けてくれるって話だけど、2箇所に2組の配置になるのかな?その場合のメンバー分けはどうなるの?」

祐介「いや、分けるも何も分けようが無いっしょ?今はどの会場もモニターを常備しているから、第1会場で配線を引いたら放送室で確認して、第2会場で配線を引くと音が聞こえて終了。別々にやると確認仕事に移動が増えるから、無駄な二度手間なだけさ。それは現場までの手荷物要員って感じかな?後は一緒に行動してくれてればいいよ。」

加奈「はい。どんな邪魔にも負けたりしません。」

美佳「前に加奈ちゃんから聞いた事があるけど、そこの会長さんに相当の遺恨を残しているね。かなり嫌っているもの・・」

祐介「遺恨って程の事ではないと思うけど、その時の視線が弛緩っぽく・・悪寒が走る感じ?キモって鳥肌みたいな奴な、イケメン会長と言われているのに」

京子「ふう~ん、他薦のイケメンなのにキモいんだ。何んかおもしろそう」

祐介「いやいや、おまえのそれはウソっぽい。イケメンに興味が湧いてたらうちの学校にだって、相当数のイケメンと言われた奴らがいるから、ほんのちょっと位はかすってもおかしくないだろ?こんだけかすらないと逆にブサメン好みか、タクメン好きとか・・ついにはウーマンまでに」

京子「いやそこまで・・もうメンドクサイから人類嫌いでいいわよ。」

祐介「確かに選択肢としては分類も少なく、消去方だとほとんど残らないけど、すべて壊滅なんて人嫌い過ぎじゃね。ちょっとは同胞に憐れめよ、そんなに捨てたもんじゃないよ世の中って奴は。拾って損する事のほうが多いけどな。ん?否定しているうちにいつの間にか肯定しちゃったテヘ。」

加奈「あの会長さんは爬虫類か猛獣っぽかったから、人類から外れているのでもしかしたらアリなのかも?」

京子「それは絶対に無理だからね加奈ちゃん。動物だって犬猫オンリーでそれ以外は問題外。猫顔とか言われても所詮は偽!ってか、話しが逸れまくりなんだけど。」

祐介「逸れてるついでに何だけと部長!いつまでも黙って聞いていないでちゃんと参加して下さいよ。」

京子「・・・・・」

加奈「・・・・・」

美佳「・・いたんだ」


いや~この部長はけっこう前から戻って来ていて、こっそり嬉しそうにみんなの話を聞いていたよ。みんなが横道にそれそれで盛り上がっていた話なんで、部長待ちの暇つぶしな訳なんだから、ちょっとは気を使ってほしいところだ。逃げギミな様子の部長がすぐに戻ってこれなかった理由は、先程祐介が言っていた事案のクリスマスイベントであった。


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