第57話 自分のペースで

 視力は、意外にも急激には落ちず

1本の目薬を、1日5回差して凌いだ。

神戸に、いい専門医がいるから行くようにも言われたが

行かなかった。


 失明に備えて、整体の資格も獲った。


内観療法で自分の心とも向き合った。


 居合い刀をネットオークションで手に入れて

独学で刀の捌きも身に付けた。


 剣道形審査だけを改めて受験するように

先生方から言われたが、受験しなかった。


 受験せずとも14本確実に出来るようになっていた。

1本毎の剣理も身に付けた。

最早、資格は無用である。

初段であろうが無段であろうが関係ない。

段とかを持っていない事が、何であろうか。

それがどうした!である。


 面打ちを磨いた。

ひたすら面打ちを磨いた。

心と身体と技のバランスが整って来た。

ふくらはぎは、丸太棒のようになった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る