第297話美幸の恋(3)

悠はほとんど毎日お弁当を買いに来る。

買いに来ないのは、おそらく学校がない日だと思う。

美幸は、そういう来ない日は、元気が出ない。

「福の神の悠ちゃんが来ないからなあ」

「あの可愛いお顔が見れない日は辛い」

それでも、売上は多くなっているから、日中は気が紛れる。

仕事が終わると、悠の顔を見なかった日は、落ち込んでしまう。


そんな生活に異変が起きた。

悠が突然来なくなった。

「どうしたんだろう、飽きられちゃったのかな」

「ずっと来なくなったらどうしよう」

「うーーー悠ちゃん見たいなあ」

美幸は、不安も感じる。

「体調でも悪いのかな」

「彼女ができて、彼女と食べているのかな」

「変な悪友ができて、イジメられているのかな」

・・・・様々、様々である。

その不安で、眠りも浅くなってきている。


さて、そんな不安と熟睡できない日々が、一週間ほど続いたある日。

珍しく悠が店に来た。

美幸は

「あ・・・どうしたの?何かあったの?」

確かに、悠はやせているようだ。

それに、いつもより顔に元気がない。


悠は、美幸の顔を見て、ちょっと涙ぐんでいる。

いったい、何があったのだろうか。

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