惨嘆


 仕事が終わって、あとは憂鬱。


 友達と飲んだ日の帰路、あとは孤独。


 夢を叶えた人たちがテレビの中で笑っていて、あとは自責。


 才能がないことだけがわかって、あとは空虚。


『ゴミはきちんとゴミ箱に』公園にある看板の周りは、汚いゴミでいっぱい。

 ゴミ箱がすでに溢れているのだから、どうしようもない。

 こんな粗末なゴミ箱からもあぶれるなんて、僕は本当にどうしようもない。 

 それでも、欠陥品みたいな心引きずってでも、生きていたくて……。


 そばにいてくれた彼女を罵って、あとは後悔。


 いつも負ける自分が嫌になって、あとは逃避。


 劣等感は一向に消えず、あとは怨恨。


 消えたくなって、あとは惰眠。


 折れた心は治っては折れて、治っては折れて。そんなことを繰り返してたら、いつの間にか折れているのが常だ。

 それでも生きることはやめられなくて、苦しんで笑って、悲しんで傷つけて。


 それでも生きていたいなんて、本当に惨めだよな。

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世形 士田 松次 @sita-syouji

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