Doomsday

作者 間宮

16

6人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

格ゲーを愛するおじさんが、小学生に叩きのめされ奮起する話と聞いてどう感じますか?
みっともない、こんなゲームにマジになっちゃってどうするの。
そう思われるかもしれない。
たしかに、主人公は格ゲーのために会社を辞めるし、プレイ歴こそ長いものの決して上手なプレイヤーではない。
おまけに、師匠として登場するキャラクターはアル中だし、そのライバルは覆面コミュ障とくる。
もうなんか色々ダメダメだ。
けれど、だからこそ子供のように意地になってそれを貫き通すというのはぐっと来るものがある。
周辺の描写は必要最低限で、ただその一戦のために、テンポよくけれど押さえるところは押さえて丁寧に進んでいくその「格ゲー」が中心に回っていくのは、何かに打ちこむのはこうだったと思い出されるようでした。

格ゲーはキャラクターは多いは、システムは複雑化の一途を辿っているわで、ちゃんと書こうとすると猥雑になりやすいように思う。
けれど、一戦に絞りその中で必要な知識が無理なく説明されていて、格ゲーにあまり詳しくない私でもすんなり読めました。

eスポーツが取り沙汰されている今だからこそ読んで欲しい作品。
大変面白かった。

★★ Very Good!!

格ゲーを心から愛しているおじさんが主人公。
普通に仕事してるし、結婚もしてる。
そしてたまに格ゲーのイベントに出かる。
いい生活。
だけどある日、小学生に完膚なきまでに叩きのめされてしまう。
……どうする、おじさん?
仕事辞めちゃった。
妻は実家に帰っちゃった。
全てを捨て、命を賭けて、格ゲーに挑む。
ただ、小学生に勝つために――

★★★ Excellent!!!

 格闘ゲーム好きのゲーマーが主人公ですが、格ゲーに詳しくなくても楽しめる作品だと感じました。格ゲーのシステム、そして設定やストーリー展開を、必要最小限の説明だけで表現しているのに嫌な意味での説明不足を感じさせない絶妙な匙加減。1話ごとの文章量は少なめなのに毎回驚きと独特な良さがあるということも相まって、スイスイと読むことができます。

 キャラクターもある種の狂気的な魅力に満ちています。主人公の中島炳五は妻帯者でありサラリーマンですが、格ゲーで負けた悔しさで会社を辞めるほどの意地っ張りゲーマー。その炳五を負かした格ゲーマー・宮田は、無気力かつ無関心、極め付けにはまだ小学生です。
 そんなキャラクターたちが醸し出して物語全体に漂わせる雰囲気には、どこか足を踏み外したような危険さと、肩の力が抜けてしまったような愉快さが同居しており、なんともいえない新鮮な感覚を味わわせてくれます。

 この作品には少年心をくすぐる要素もたくさん詰め込まれています。特に絶対的な強さを誇っていた5人の格ゲーマー〝旧世界の支配者〟の存在には知った時からワクワクしっぱなしでした。他にも刺激的なあれやこれやが巧みに描かれています。読者の僕はきっと、あの話やあのシーンの衝撃を忘れることはないでしょう。

 正直めっちゃ面白いので、おすすめです。