第182話 撃墜

エンジン排気、空気抵抗で発する赤外線(熱)を探知しながら追って来るミサイル



2機のホーネットが高速道から離れ、畑や民家上空を飛行



現在2機のホーネットが必死な回避運動を行っている。



ロクサー「Chaff,flare Release.(チャフ、フレア 放出)」



トゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥ



両機共にデコイ発射ボタンが押され、ミューラー機が降下すると同時にアルミ箔を散布、また火の玉の様に大量の燃焼物(フレア)が機体から放出された。



ミューラー機は地上20メートルで機体を水平にさせ、再び上昇させながら直進飛行



ミサイルは散布された囮に反応を示した。



そして、弾道はそのまま直進、畑へと直撃し爆発炎上を起こした。



一方



トゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥ



急上昇するロクサー機からも数本もの夜空に輝く火の玉が放出され、同時に機体が宙返りで急旋回



空中で機体を捻らせながらロクサー機はUターンをかました。



欺瞞兵器に釣られたミサイルはそのまま直進、夜空へと消えて行く。



回避に成功した両機



機体を安定させながら、各機共に目標へと機体を傾けた瞬間



走行する戦車の砲身が45度動き始めた。



降下した機体がバレルロールで水平を保ち、ロクサー機が戦車と向かい合うや主砲が向けられた。



ミューラー「Cannon ball come.(砲弾が来るぞ)」



ロクサー「Fack」



戦車と向かい合うロクサー機が急加速で曲線を描き、方向転換、横へと回避運動を始めた。



その逃げるホーネットを砲身が追いかけ、発射された。



ドォーン 



ロクサー「Whether such hitting.(そんなの当たるかよ)」



砲弾は暗闇へと消えて行く



だが…



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド



今度はM2機関銃が発砲されて来た。



当然高速移動する戦闘機を捉える事など出来ず、弾は外れるのだが戦闘機を追いかけ銃座から狙い撃ちする奴等に…



ロクサー「What is going on ?(どうなってんだ?)」



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド



ロクサー「Do these really zombies?(こいつら本当にゾンビなのか?)」



ブシュュュュュュー ブシュュュュュュー ブシュュュュュュー ブシュュュュュュー



またも複数のロケット弾が発射され、連続的に光の線が夜空へと飛翔



ロクサー機が狙い撃ちにされた。



ドドドドドド  ドドドドドド



回避運動を続けながら、戦車の周囲を旋回するロクサー機



少し離れた位置からミューラーがその状況を目にしている。



ブシュュュュュュー ブシュュュュュュー ブシュュュュュュー



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド



集中攻撃を受けるロクサーが次第に苛立ちを見せ始めた。



ロクサー「Son of a bitch(畜生)」



ドドドドドド ドドドドドド



ロクサー「Those people…bugging me.(あいつら…まじうぜぇ~)」



中々反撃に転じられないロクサー機から無線を通じ、汚い言葉が流れ込む



ミューラー「Calm down.(冷静になれ)」



ロクサー「Captain! Not break into(隊長! 踏み込め無いです)」



戦車の背後が空いてる…



ロクサーに気を引かせ…



その隙に…



ミューラー「Hey! Roxa listen.(おい!ロクサー よく聞け)」



ミューラー「You attract attention just as it is.(おまえはそのまま注意を引け)」



ロクサー「Pardon me?(えっ?)」



ミューラー「I attack the opening which attracted attention from the back.(注意を引きつけた隙に俺が背後からこいつを攻撃する)」



ロクサー「……」



ミューラー「Im Cleane.(俺が片付ける)」



ロクサー「…」



ミューラー「Hey Roxa Is it heard?(聞いてるのか?)」



ロクサー「…」



ミューラー「Roxa! Reply(ロクサー!応答しろ)」



ロクサー「I hear it…(聞いてますよ…)」



ミューラー「Did you understand it?(分かったな?)」



ミューラー「Do it.(やるぞ)」



その時だ



ロクサー「Just a second(ちょっと待って下さい)」



ミューラー「…」



ロクサー「I do an attack.(攻撃なら俺がやります)」



ミューラー「No(駄目だ)」



ロクサー「Why? I can attack.(何故です?俺なら出来ます)」



ミューラー「Its No too dangerous.(駄目だ 危険過ぎる)」



ロクサー「I can do it.(俺ならやれますよ)」



ミューラー「No Attention is too collected now for you,do not approach excessively.(駄目だ おまえには今注意が集まり過ぎている、無闇に近づくな)」



だが…回避運動するロクサー機が突如戦車へと進路を変え始めた。



ミューラー「Stop it,and this is a command.(よせ これは命令だぞ)」



ロクサー「I will do it.(俺がやってやる)」



意気込むロクサーが隊長の命令を無視して戦車へと突っ込み始めた。



Im…



do…



zombies…



Kill…Kill…(ぶち殺してやる…)



苛立ちに呑まれ、少々冷静を欠いたロクサーが急降下しながら戦車へとロックオンさせた。



ドドドドドド ドドドドドド ドドドドドド ドドドドドド



M2機関銃から発砲、その浴びせられた銃弾の雨をかいくぐる様に回避しながら突っ込むホーネット3番機



ロクサーはコックピッドの計器のボタンを押し既に装填された爆弾から対地用ミサイルマーベリックを選択、ランチャーへと換装させた。



Such rabble……I one enough…(こんなウジ虫共…俺一人で十分だぜ…)



右主翼のハードポイントが作動



ランチャーに誘導爆弾から対地ミサイルマーベリックが交換、装填され、発射態勢へと入った。



I kill it by fire a shot…(一発で仕留めてやる…)



Fucker…(糞野郎共…)



そして発射態勢に入ったロクサーが操縦桿の発射ボタンへ親指を添えた



その時だ



ブシュュュュュュー ブシュュュュュュー ブシュュュュュュー



またも複数のロケット弾が発射され



向かって来た。



トゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥ



正面から飛んで来るロケット弾を機体を傾けながら回避



機体の横をすり抜けて行くロケット弾



当たる事無く上昇して行った。



卓越した操縦テクニックで真っ向から飛んで来るロケット弾を全て回避



I dont hit directly…当たるかよ…



ロクサーが口角を上げ、微かに笑みを浮かべた瞬間



ブシュュュュュュー



もう1発放たれていた。



全て回避したつもりのロクサーに…



安堵を浮かべるロクサーの目の前に…



誘導弾が飛んで来た



そして…



ホーネット胴体下部に一発のロケット弾が突き刺さった。



No kidding…?(まじかよ…?)



その瞬間



ドカァァァァァ



戦車から上空50メートルで1機のホーネットが爆発を起こした。



藻屑と化す機体



炎に包まれた残骸が地表へ降り注いだ



ミューラーの目に映る撃墜シーン



目の前でロクサー機が撃墜されてしまった。



ミューラー「R…Roxaaaa~~」



ミューラーの叫び声がコックピッド内部に響き渡った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る