第115話 部隊

京都殲滅隊部隊表



第1小隊 坂本班 総員32名



第2分隊 桜井班 総員11名



座間2個連小隊 第3小隊 横山班、第6小隊 山本班 総員65名



第4分隊 河西班 総員15名



第5小隊 星野班 総員35名



第7分隊 斑鳩班 総員10名



第8分隊 高橋班 総員11名



第9分隊 須藤班 総員11名



第10分隊 木元班 総員11名



第11分隊 相原班 総員10名



第12分隊 瓜生班 総員12名



第13分隊 栗賀班 総員11名



4個小隊と河西1個中隊からなる9個分隊がゾンビ掃討作戦として投入された。



だが…予想を上回るゾンビ、感染者の数に各小隊、分隊は苦戦を強いられ…撤退命令を余儀なくされた…



だが…



各隊共に四方を奴等に囲まれ、身動きが取れない状態に陥り



第5、第8、第13は何とか合流を果たし、自力で市街地からの脱出を開始



支援要請を受け、到着した2機のチヌークの2個分隊は現在座間2個小隊の救出活動を行っている。



同じく支援要請を受けた2機のAHー1Sコブラ機は、車両故障で立ち往生する第10分隊木元班の航空援護射撃、現在ミニガンによるゾンビ掃討を行っている。



志水の指示で救出ヘリ30機、コブラ×10、アパッチ×2、シャイアン1機

、計13機の攻撃ヘリ、総員500名で救出へ向かうのだが…



第2分隊桜井班との通信は途絶え…



残りの班にも全滅の危機が…



焦りと混乱を見せる全ての隊員等に



死の危険が迫っていた…




京都府 舞鶴市 海上自衛隊航空基地 通信司令室



繰り広げられる各地での戦闘



始まった戦況を食い入る様に目にする宮本、小西、もがみ、志水の4名



上空を旋回するシーホークから送られてくる映像は所々、揺れにより画像を乱し、モニター画面の鮮明さを欠いていた。



10列にも及ぶ、連続的クレイモアの散弾が降り注いだ東名と関越の映像



時々、湾曲に歪んだノイズが生ずるその映像には、鉛の雨によってバタバタと倒れた死体が数えきれぬ程道を覆い尽くしている。



しかし…次から次へと後続から行進は継続され、侵攻を一時も阻止する事は出来ずにいた



再三言うが…数は万単位



足止めにもならない多大なる物量行進で



倒れた死体を踏みつけながら数十万のうめき声が響き渡った。



軍勢は犠牲など物ともせず、猛進を続ける…



東名高速道



「ザザァ 地雷原突破されました ザザ」



先備えされた戦車のわずか10メートル手前で、隊員等によって何やら設置されている。



「ザザ まだか?地雷原が突破された 後何分かかる?ザザ」



「ザザァ 後10分はかかります!ザザ」



「ザザァ 何チンタラやってんだ?もう固定だけでいい 後2分で完了させ引き上げろ ザァ」



20名程の隊員等によって、ゾンビ共の行進の障害物として鉄条網フェンスが設置されていた。



「ザザザ 防衛線までの距離約900 ザザ」



「ザザ すぐに一斉射撃アンド砲撃が開始される 後2分でその場を離れないと巻き込まれるぞ 急げ ザザァ」



「ザ 了解 ザザ」



隊員等が迅速に鉄条網フェンスの足場を固定している。



先頭を歩む感染者達が遠くに見える人の姿を見つけるなり 一斉にダッシュをかましてきた。



「ザザ ランナーが走り出した 総員撃ち方よーい ザァ」



「ザザ もういい 退避しろ 早くその場から離れるんだ 発砲がはじまるぞ ザザザ」



「ザザ ですが完全な固定がまだ出来てません ザザ」



「ザァー 奴等が来た いいから早く離れろ すぐにその場から離れ持ち場へ着け ザザザ」



関越自動車道



こちらも地雷原が突破され、殺気を漲らせた大量の感染者達が迫ってきた。



「てぇー」



合図と共に全車両のヒトマルの砲口から一斉発射される。



ドォン ドォン ドン ドン ドォ ドォン!ドン……



各戦車の砲尾から後焔と煙りをあげ、放物線を描いた榴弾が群集の至る箇所で爆発、黒煙と共に何十体ものゾンビ、感染者の体が巻き上がった。



ドカァン ドン  ボカァァ~



猛ダッシュする感染者が砲弾をくぐり抜け設置された鉄条網フェンスに衝突 行く手を阻まれ、鉄条網にしがみついた。



たちまちフェンス前に群れた感染者等がフェンスへしがみつき



そしてよじ登り始めた。



3体の感染者が円形状の有刺鉄線を乗り越え1体の感染者がフェンスを跨いだ その時だ



「うてぇーーーー」



タン



感染者の側頭部が撃ち抜かれた。



撃ち抜かれる頭部から血を撒き散らし、感染者はそのまま落下。



続いて…よじ登り跨いだ2体の感染者へ



タタタタタタ



感染者の額に銃弾が貫き、2体同時にフェンスから落下する



ドン ドォン ドン!ドォン ドォン ドン



各ヒトマルから次弾の砲撃が放たれ、またも群れの至る箇所に着弾 爆発を起こし、地面をえぐった。



ドカァー ボン ボォン



爆心から3メートル程浮き上がった、死者の体、切れた腕や足、頭部や内臓らしき物が八散された。



だが後から後から鉄条網フェンスを乗り越えようとする感染者達



パァン タタタタタタ タンタンタン ドドドドドドドド



ヒトマル戦車に搭載されたM2マシンガン、89式小銃を身構える1000名のザクト兵から同時に引き金が引かれ、銃口から火を吹かす



声など掻き消される程の銃声の嵐だ



タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ



ドドドドドドドド ドドドドドドドド ドドドドドドドド



フェンス前に群れる感染者等はたちまち蜂の巣にされていく…



ーーーーーーーーーーーーーーーー



京都府 舞鶴市 海上自衛隊航空基地 通信司令室



通信兵2「東名、関越、中央 共に主戦闘開始されました」



通信兵6「東北、常磐でも戦闘開始 常磐道では現在ACスペクター、ハーキュリーズ、ブラックホークによる空撃展開中 空母ジョージワシントンより再入電 ビーコン設置ポイント272 距離60メートル ゾンビ目標点到達後、コード385505発動、特殊サーモバリック爆弾投下、コード名ホーリネスブレス」



通信兵8「また 東北道でも現在米軍の攻撃飛行隊により空爆実行中 こちらもビーコン到達と同時にテルミット爆弾投下 コードナンバー1313 作戦ネーム、サイサロス投下の打電」



小西「ホーリネスブレス?これはただの燃料気化熱爆弾と違うのか?」



宮本「米陸軍が独自に開発した新型特殊爆弾です。主に市街地の道路やハイウェイ用…つまり道路用って所ですね」



小西「爆発して周囲の酸素を全て消費するだけじゃないのか?」



宮本「通常のサーモバリックは3000℃の高熱と爆風が円形状に広がるのですが、これは短型に爆発が延びていく特殊なタイプです」



小西「短型?長方形に延びるって事か…?」



宮本「はい 横へ拡散する事無く、縦型に延び 半径2キロの爆風と無酸素状態を作り出します。それをおよそ5分間持続させます」



通信兵6「スペクター ハーキュリーズ上昇開始 高度1200メートルからの投下予定 両機共に投下態勢に入りました。ビーコンからの誘導レーザーポイント照射 ゾンビ到達距離約50メートル」



小西「これなら一気にカタが着きそうだな」



宮本「えぇ」



通信兵8「東北道でも同様にホーネット2機が上昇、ゾンビ勢ビーコン通過、誘導レーザー照射されました テルミット爆弾、サイサロス投下まで40秒…35秒…30秒…」



爆弾投下までまもなく…



画面を見守る4人の耳に…



宮本の耳に入ってくる他の通信兵の慌ただしい声と無線内容



「ザザ こちら第9分隊須藤班…全員弾切れです…早く…早く助けに来て下さい… ザザ」



通信兵25「その場に留まるな ランナーやウォーカーのアタックが来るぞ 隅所へ隠れるか、速やかに何処か高台に避難させろ」



「ザザ 瓜生班 桜井班の音信が途絶えた…確かお前等2ブロック先にいるな? 合流可能か? 可能なら現在の正確な場所を教えろ ザァ」



「ザザ こちら相原班 無理です…自分入れてもう3人しか残ってません…無我夢中で建物へ逃げ込みましたが…奴等…中にもウヨウヨいやがります…今…部屋に立てこもってます… ザザ」



物々しい雰囲気



宮本「志水…一体何があった?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る