第62話
ドラゴンがこちらを睨みつけ怒号が鳴る。
「ユウヤ。かなり怒らせちゃったみたいだぞ」
アハハっとユウヤも引き攣って笑う。
冒険者達は怯むこと無くドラゴンに立ち向かっていく。
負債神の口にセンズを無理やり飲ませ地面に隠れさせておく。とりあえず第1陣良くやってくれたので少し休ませてやるか。
ユウヤにもセンズを飲ませると、少し息が戻ってきたようだ。
冒険者達と一緒に俺達もドラゴンに立ち向かっていく。
しかしドラゴンは爪や牙、そして尻尾と一つ一つの攻撃が強力すぎて近寄れない。
肝心のユウヤが近付くと炎を吐き近付けさせない。かなり警戒しているみたいだな。
俺はドラゴンの攻撃を掻い潜り鞭にて攻撃してみるも巨大すぎて効いていない。
打つ手がなくどんどんとこちらが消耗していく。そんな中後方にいるはずのルナさんが目に見える位置にいてなにやら叫んでいる。
「みなさん。60秒だけ凌いでください」
そういうとルナさんが目を閉じ集中する。
どうしてここにいるんだ。あぶないと思ったがなにかあるのだろう。言っている意味がよくわからなかったが60秒稼げばいいのか。
俺はドラゴンの目に付く位置へ行き紙一重で攻撃を次々と躱していく。ルナさんに攻撃がいかないよう死にものぐるいで注意を引く。
ドラゴンの凄まじい攻撃に冒険者達は後ろに後退する形になる。ユウヤはチャンスを虎視眈々と狙っている。
そして60秒が経とうとした時。
「離れてください」
ルナさんが俺を見て声を掛けると一気に後方へ距離を取る。
「聖なる光よ。輝きたるは希望の光、悪しきものを打ち倒す槍となっていま力を見せよ!ホーリーレイ」
空からドラゴンに向けて光の槍が突き刺さる。
あまりの威力に近くにいた俺達と冒険者を吹き飛ばし湖の水が弾け一つのクレーターができた。
ドラゴンが横へ崩れ落ちていく。そして引いていた水がドラゴンを埋めていく。
しかしルナさんも気を失い倒れてしまった。
あまりの状況に頭が追いつかなかったが、俺はすぐさまルナさんに駆け寄る。
治癒魔法が使えない俺に代わり、負債神を起こし治癒をさせるがルナさんが目を覚ます気配がない。嫌な予感が脳裏を過ぎる。
しかし問題はそれだけではなかった。
凄まじい光景に呆気に取られていてまだ誰も気づいていない中ドラゴンは湖の中にある光り輝く石を見つけ瀕死の状態で移動していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます