第59話
只事ではなさそうだ。
俺とルナさんはすぐに外へ向かう。しかしセツナと親方は話に熱中しすぎて何も聞こえてないようだ。どれだけ集中してるんだよ。俺達は構うことなく走りだした。
外に向かう最中ロイさんもこちらに気づき合流する。
店を出ると湖方面から人々が町の外へ逃げるように走っていた。人々が逃げてきた方向を見ると、俺は目を疑う。
物語やゲームで出てくるようなドラゴンだ。
遠目だがかなり大きく見える。
皮膚は赤く、空を飛び、口からは火を出している。
格好いいなどとは一切思わなかった。なによりも恐怖が先にくる。
そんななかでもすぐに逃げなかったのは、人々に押され泣いている子供をルナさんがすぐに助けているからだろう。
怖いがそんなことは言ってられない!
ここは冒険者が集まる町だ。ドラゴンに立ち向かおうと装備を整え、向かっていくパーティーもいる。
さあ。俺達はどうするべきか。
ドラゴンに立ち向かうか。町人の避難を優先するか。
いや悩んでいても被害は大きくなるだけだな。
「ロイさん!工房の人達を避難させて下さい。出来ることなら町の人達に外へ出るよう誘導お願いします」
俺よりこの町の地理は詳しいであろうロイさんに避難誘導をお願いする。
「俺とルナさんは宿に向かいユウヤ達と合流します」
そういうとロイさんは頷き、ルナさんが助けた子供を連れ工房へ入っていく。
「ルナさん急ぎましょう!」
ルナさんの手を引き俺達は宿へと走る。
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