第43話

工房に着くと親方が出迎えてくれた。


『おう!待ってたぜ。とりあえずそこにかけてくれや。』



俺達は言われるまま椅子に腰掛ける。



そして親方が腕輪を1つ持ってきた。金色の毛を編んだようなものだ。鍛冶屋っぽくはないな。ただこの親方顔に似合わずオシャレな出来じゃないか。


『そいつの効果は所有者の力と素早さアップあと光属性付与だな。といっても力の増量は微々たるもんだし光属性といっても大して強力ではないがな。』


まじですか。あんなに強そうな雰囲気あったのに、、、。

あれ、2つ頼んだのに1つしかないぞ。



『あの2つお願いしましたよね?』



親方はとても言いにくい様子だったが頭を掻きながら説明をしてくれた。


『いやな。あの後こいつの素材で試行錯誤したんだがどうにも上手く扱えんくてな。皮膚は堅くて加工出来ないは、この棒に限ってはうちの釜でも溶けん上にハンマーで打とうがハンマーが負けちまう。うちのやつらも自信喪失するやつがいたくらいだ。そんなわけでどうにか作ったのがそいつってわけだ。』



こんな大きな工房でも駄目なのかよ、、、。

加工出来ないんじゃ意味がないじゃん、、、。





そんなときだ。


『ふっふっふ。どうやらお困りのようですね。ついに私に頼るときが来たんじゃないですか!!』



後ろを振り向くとフードを被った女性が腰に手を掛け高らかと笑っていた。




こいつか、、、。




『親方さん、この素材どうにか加工とか出来ないですか?このままというわけにもいかないですし。』



俺は前を向き直し親方さんと相談する。




『ちょ、ちょっと!もう無視しないでくださいよ!』




後ろからギャーギャー聞こえるがまあ無視だな。ルナさんと負債神が不思議そうな顔で見ていたところロイさんが昨日あったことを説明してくれていた。




そんなとき親方がフードっ娘を見て

『その声セツナか!お前うちの工房ほったらかして変な武器使ってるって噂になってるぞ!しかも人が店で眠ってるときに盗人まがいなことしてるらしい!なぁおい!』



フードっ娘はビクッとした。



『人が眠ってるところで盗人なんて最低ですね。』負債神がボソッという。



(お前が言えた立場ではないがな。)



うん?この間一気に来た眠気はもしかして、、、。




俺はこのフードっ娘を睨みつける。




『ひっ!』




親方はフードっ娘のフードを脱がしやっぱりなとため息をついた。




可愛いな。やってることと言ってることは残念すぎるが、、、。




フードっ娘改めセツナは涙目になりながら

『うぅ〜。ごめんなさい。私の発明には犠牲が付き物なのです。これも時代を変革するためなのですぅ〜』


ゴンッ!親方のゲンコツがくだる。



『反省しろ!!おっ待てよ。お前達こいつに武器作らせてみんか?言うことは馬鹿だが武器を作らせればなかなか面白い発想をするやつだぞ。』




、、、。




えっ?この子?




そんなことを考えているとセツナは目を輝かせていた。




『本当ですか!?キタコレ!!お兄さんよろしくね!』



うわ。やる気満々だ。

はぁ〜まあいいか。とりあえず親方さんでも駄目だったんだ。素材だけ持っててもしょうがないしな。



『商談成立〜♪』


すごい嬉しそうだな。本当に武器を作ることが生き甲斐らしいな。



『それでお兄さんは武器なにがいいんですか?何装備出来ます?』



まあなにはともわれ武器相談が始まった。まともに作れるかはわからないがね、、、。

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