第30話

何事かと俺は慌てた。


『本当に助かった!準備もできずあの軍団に来られたらこの村だけでなく皆が危険だった。お前の力はよくわからんがあの金色のオークのことも含め感謝しきれない。この恩は必ず返す!なにか困っていることがあればなんでも言ってくれ』




(おおぅ。こんな感謝されるとは思っていなかった。困っていることか、、。今後の方針と目下あいつに武器を奪われたので持っているのがこの雷鞭だけということか)


俺はせっかく相談出来る人も集まっているので相談してみることにした。勿論異世界から来たとかその辺りは内緒にはしたが。



そして色々な案が出て来たなかで武器に関しては金色のオークの持っていた棒やオーク自体の素材を鍛治町へ持っていって加工するのを勧められた。なにやら戦闘後の報酬の話で俺に金色のオークの素材をくれることで話はついていたらしい。かなり期待できそうなのでありがたい!



そして今後の方針としては2つ案を出された。

1つは武器を作ったところでこの村に戻ってきてこの村で生活しないかという案。勿論俺自身この村が好きなので魅力的な提案だ。

もう1つは武器を作ったところでひとまず王都に行って職業のことを含め旅をしながら今後どうするのかを考えるということだった。



俺は異世界!旅!心踊る大冒険に年甲斐もなくワクワクした。勿論1つ目の案も捨てがたかったのだがいつでもここに住んでもいいぞという暖かい言葉をいただいたのでまずは旅をしてみることにするか!




そんな決断をしたところでふとルナさん達ともしばらくお別れかと寂しさも感じた。



すると村長はこちらの顔の変化に気づいたのかニヤッと笑いそうかそうかと膝を叩きながら

『おっそういえばリゼんところの宿ボロが出てきてたろ。修理してやるからしばらく休業でその間お前教会で働かんか。元教会関係者だし問題ないだろ。本部のやつもお前にはなにも言えんしな!』



リゼさんもニヤッと笑いながら

『あらいいわねぇ〜。だけどこの村に2人も神官いても片方手ぶらになってしまうしどうしようかしら』



村長はニヤニヤしながら

『ルナちゃん。そいつ1人だと心配だ。せっかくの恩人になにかあっちゃいけないわけだ。ルナちゃんも王都までついてってやりな』




『えっ!?』


ルナさんは顔を赤く染めながら困った顔をしていたがリゼさんに説得され同行してくれることになった。



俺もまさかと思っていたのでこんな形で早速恩を返してくれた村長グッジョブ!!



そして鍛治町までは素材を持ってロイさんも同行してくれるらしい。



なにからなにまで本当に暖かいこの村に俺は感謝をひたすら感じ冒険の準備に取り掛かることにした。

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