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北の方角を見てみると金色の毛色をした先程までのオークとは雰囲気の違う魔物がこちらを睨みつけていた。

(あいつはヤバイ)

睨みつけられた瞬間に恐怖で身体が震え上がり力が入らなくなってしまった。

『いよっしゃぁぁぁ』

そんな俺に構わず村長は金色のオークに向けて剣を持ち走って立ち向かっていく。

ロイさん達が村長を止めようと大声を出しながら一緒に走っていった。

『くそ！動け！！あいつは絶対ヤバイ！！！ここの人達を死なせたくないだろう。動けよ！』

俺は力一杯声を上げ膝に拳を叩きつけ必死に後を追おうとする。

『うぉりゃぁぁ！』

ガキィッと鈍い音が響く。村長と金色のオークが戦いだす。

村長は見事な剣技と身体捌きであのヤバそうなオークに刃を次々に入れていく。

しかしオークは効いている様子はない。そんなことは御構い無しに村長は凄まじい剣撃を放っていく。

ガガガガガッ止まることのない剣撃をオークはただただ受けていた。

ロイさん達が追いついた頃金色のオークが雄叫びをあげた。

周囲がたちまち光に包まれ衝撃波が広がる。村長達は吹き飛ばされ気を失ってしまったのか動かなくなってしまった。

金色のオークは村長達には目をくれずのしのしとこちらに歩いてくる。

（こいつの目的はわからないが後ろには子供達とルナさん達がいるんだ。ここを通すわけにはいかないだろう！)

後ろにいる冒険者達は皆あの村長達を一蹴したオークに畏怖を抱き膝をついていた。

『ここは任せてください。皆さんは村の人達を退避させてください』

俺は精一杯強がりの大声を出し冒険者達へ村人の避難を呼びかけた。

ふと教会にいた子供の顔を思い出す。

(きっとまた強がりなこと言ってっと笑われそうだな)

心の中でふっと笑いが出ると自然と身体に力が戻ってきた。

後ろには誰もいない。

『あの子達のためにもお前を通すわけにもいかないんでな。悪いけど相手をしてもらうぜ』

金色のオークが目の前に来ると俺は弓を構え睨みつけた。

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