どエルフさん ~仲間殺しの罪を背負って騎士団を辞めた元騎士、奴隷狩りに襲われていたエロい女エルフを助ける。エッチなエルフたちとはじめるきままなハーレム冒険者生活。~
第1171話 ど女修道士さんとセーフティーハウス
第1171話 ど女修道士さんとセーフティーハウス
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【前回のあらすじ】
「なんで俺がこんなしょーもない奴らを助けやないかんねんって。正直、ちょっとやってられない部分があるわけですよ」
女エルフ達にやられて降伏。
なんでも話すから命だけは見逃して。
そんな流れから、謎の不満を爆発させる勇者(仮)。
異世界のさらに異郷の英雄もそこは人間(ELF)溜まるものは溜まる。社会生活で淀んだものが身のうちに澱としてできてしまうのは――仕方のない話なのだ。
そんな訳で、つらつらと愚痴りはじめた勇者(仮)。期せずして希少な人材と接触してしまったと喜ぶ
とても本当の勇者ご一行とは思えない悪辣さ。
人の弱気につけ込んで、情報を引き出すとは見事かなど
「いやまぁ、向こうが話したがっているのだから、こっちは聞き役に徹してあげるのが親切心かなと思いまして」
世の中にはこういう善人面して酷いことする奴らがうじゃうじゃ居る。
そんな奴らの餌食にならないでもらいたい。そんなことを、社会にろくすっぽに出ていなかった作者は思ったりする訳です。みんなも気をつけような。
「一番タチの悪い(被害者面)タイプの悪人が何言ってんだか……」
◇ ◇ ◇ ◇
「なるほど、いろいろとお話ありがとうございました。おかげさまで、これからの冒険の方針を立てることができます」
「いやいや、こちらこそ話を聞いていただけてすっきりした。やっぱり、何でもかんでも我慢するのは良くないな。適度に吐き出さないと身体に毒だ」
「……だぞ、開き直っちゃってるんだぞ」
話し終わって
完全に絵面は場末のバーそのものだった。
適当に相づちを打ちつつ、広げたい話に良い感じに茶々を入れて勇者(仮)をその気にさせる女修道士。いったいどこでそんな技を覚えてきたのだろうか。【話術技能】とか備考欄に書いてありそうな、見事な話しぶりにちょっと隣のワンコ教授もドン引きしていた。
とはいえ、これでいろいろなことが分かった――。
「なるほど、イーグル市地下の労働組合でもっとも厄介なのは、勇者さんを雇用していた会社。イーグル市ゼネラルカンパニーということですね」
「だぞ。なんとも怪しい名前の会社なんだぞ。何をやっているのか、名前からさっぱり判別することができないんだぞ。怖いんだぞ」
勇者(仮)を雇っていた社長が小学生でゼネラルでカンパニーな会社。
当面、
きっとこれからも色々な妨害をしかけてくるに違いない。
イーグル市ゼネラルカンパニー。
勇者(仮)から聞き出した情報に寄れば、彼のような腕利きの用心棒の他に各種兵器に大型の機械鎧を持っているという。本気で事を構えることになれば、この地下都市にも被害が及ぶような大暴動になるのは免れない。
さてさてどうしてやったものだろうか。
話を終えて、それじゃこれで失礼しますよと立ち去る勇者(仮)。そんな彼に手を振ると、
「まぁ、三十六計逃げるにしかずと言いますから、出会わないようにうまく立ち回るしかないですよね」
「それ、あの男にここに侵入されてる時点で、もう無理って話じゃない?」
「だぞ。すぐに出立すればまけるかもしれないんだぞ。クルルカンに無理を言って、すぐ出発させてもらうんだぞ」
「いやそれも難しいでしょう。うーん、今できるのはせいぜい、ここから寝床を変えることくらいですかね。といっても、アテがあるわけでもなし」
「逆の発想よコーネリア。むしろここにイーグル市ゼネラルカンパニーの奴らをおびき寄せて、一網打尽にしちゃえばいいんじゃない。うん、それいいわね。名案だわ」
「これだから脳筋エルフは困るんですよ……」
なにおうと食ってかかる女エルフ。
ただ、こればっかりは流石に脳筋と言われても仕方ない。ちょっとパーティーの知恵者役としては残念過ぎる発言だった。ソシャゲにそこまで脳の中身を食われているのかと、女修道士も心配するというもの。
ぽちりぽちりとスマホを弄り続ける女エルフ。
会議に加わらず、すやりすやりとベッドで眠る新女王。
加わってくれてはいるが、いささか頼りないワンコ教授。
まいったな――と思わず女修道士も弱気になった。
こんな時に男騎士が居てくれたら。もしくは、もう一人でいいから、女エルフクラスで役に立ってくれる人物が居てくれたら頼もしいのだけれど……。
「いえ、ないものねだりはよくないですね。ないならないで、なんとかするのが冒険者というもの。とりあえず、今日はここで宿をとるとして、防御を固めましょうか」
頼りにならない女エルフに変わって、今は自分がしっかりしなくては。
気合いを入れた女修道士。まずは壊れた部屋を移動するところから。下の階に降りて話をしてくると、彼女は言い残すと部屋を後にした。
娼館はどうやら客のかき入れ時らしい。賑やかな喧噪が聞こえてくる中、階段を降りればむくつけき男達と鉢合わせる。
娼館の奥――老いることがないELFたちである、一線を退いた娼婦達の生活の場がそこにあるわけではない。やり手ババアの代わりにそこに居るのは、娼館の運営管理に携わっているELFだ。
少し慌てて入って来た女修道士に、彼女達がきょとんとした顔を向ける。驚かせてしまったことを詫びつつ、端的に女修道士は部屋の入れ替えを頼み込んだ。
すると――。
「なんだい、そんなに組合の連中が来るのが心配だったら、うちらのセーフティーハウスで休むかい?」
「厄介な客が来たときのためにね、アタシら避難場所を共同で持っているんだよ」
「そこなら万に一つも組合の奴らには踏み込まれねえよ。心配だったらそこにお行きよ。明日以降の手はずも、そこからできるようにしといてやるからさ」
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