第417話 どエルフさんとオラァモグラだ

【前回のあらすじ】


 土の精霊王のドリルによって竜の王国まで突貫をかける女エルフだった。


「……ちょっと、結構際どいパロディした割に、あっさりしすぎじゃない!?」


 いや、うん。

 流石に先日のはちょっと僕も、自分で書いててどうかと思ったですよ。

 関係者各位のみなさんごめんなさい。m(__)m


「謝るくらいなら最初からするな!!」


 しかし、某男優はいろいろな技の元ネタになっておりますが、そのうち伝説の人物とかで出て来そうですね。

 そうなったら、許可取ってくれるんでしょうか――兄貴カドカワさん!!


「だから!! そんなだからどれだけ書いてもお声がかからないのよ!!」


 たぶんカクヨムで一番危険なパロディやってる小説、どエルフさんを今後ともよろしくお願いします。なお、ヤバいようなら、垢バンの前に連絡ください、よろしくお願いします。


 割とマジでバックアップ取ってないのです。


◇ ◇ ◇ ◇


「オラオラ!! どうしたァ!! この程度かよ!! この程度で、私たちの行く手を阻もうってのかよ!! 冗談じゃねえぜ!! この程度で止まるような私たちじゃねえ!! 私たちを誰だと思ってやがる!!」


「……だぞ」


「モーラさん、なんか一人だけ世界観が違う感じになってますね」


「というか、ガイ〇ックスネタ好きですね、この作者」


「といっても最後までちゃんと見たのは天元突破グレン〇ガンだけらしいぞ」


「……なんの話だ」


「のじゃ。ついて行けないのじゃ」


 一人、筆ペンで描いたような作画になって、熱くなってドリルを振るう女エルフ。

 その後ろを、作画崩壊したようなのんびり顔で男戦士たちが続く。


 いつもは前衛を張る男戦士が、今日ばかりは後衛。

 女エルフの背中を追って地下へ地下へと潜っていく。


 固い岩盤もなんのその。粘土層も砂層もぶち抜いて、次々に深く深く掘り進んでいく。その姿をぽかんと眺めて、リザードマンたちは目をしばたたかせた。


「流石はエルフさまは違う。精霊魔法でこんなに楽々と穴を掘るなんて」


「もうこの深さだ。俺たちじゃ、二日かかってもここまで辿り着けるか」


「これなら竜の王国まですぐだなぁ――」


 そう思った時。

 ぼこり、と、壁の崩れる音がして、空洞に女エルフたちは到達した。

 やった、竜の王国の洞窟かと、女エルフの顔が喜色ばんだその時。


「キシャアアアアアア!!」


 壁の向こう側から、茶色い体毛に覆われた獣が現れた。


 熊ではない。

 四肢は短く鼻先がのっぺりと長い。そして、瞳は暗かった。

 この暗い穴の中では、ほぼ光を感知できていないだろう。


 鋭く伸びた爪が女エルフに迫る。


 まずいと思ったその時――。


「バイ!! スラッシュ!!」


 男戦士の必殺技が、その爪を断ち切っていた。

 ランタンを持っていた状態から、すかさずのフォローである。さすがに戦士技能8。魔剣エロスを失っても、男戦士の挙動には一切の無駄がなかった。


 五つあった、木の根のように太い爪は、その一振りによって切断された。

 パラリと地面に落ちたそれに、空洞の中から現れた獣はまた奇声をあげる。


 その横で女エルフがへたりと尻を着いた。


「オラァモグラだ!! モーラさん、後衛に!! ハンス援護を!!」


「……分かった!!」


【モンスター オラァモグラ: オラついてるモグラ。基本的に地中に潜っていて出てこないが、坑道の掘削作業などにより遭遇すると狂暴に暴れまわる、厄介なひきこもりのようなモンスター。なんともコミカルな名前からは想像つかないほどに狂暴であり、中級冒険者は出会ったら戦わずに逃げることが推奨される。なお、このモグラが発見された坑道などでは、多額の報奨金をギルドに払って退治を依頼することが通例である】


 もう片方の手を振り回して男戦士に迫るオラァモグラ。

 しかし、それを大剣使いの鉄板のような大剣が受け止めた。これまた、息を吐かせぬ連係プレイである。


 バビブの塔の冒険からかれこれ半月ほど経つが、流石は熟練者の冒険者ということか。男戦士も大剣使いも、その行動に一切の迷いもなければ、無駄もなかった。


 などしているうちに。


「バイスラッシュ!!」


 再び、男戦士の必殺技がオラァモグラに向かって落ちる。

 その額に向かって走った剣筋は、見事に眉間を切り裂いて、脳漿をぶちまけさせ、オラァモグラを絶命せしめた。


 おぉ、と、女性陣とリザードマンから漏れる声。

 だが。


「油断するな!! オラァモグラは群生する修正を持つ!!」


「最小でも三匹はいると思え!! 後衛、しっかりとサポートを頼む!!」


 男戦士の言葉の通り、絶命したオラァモグラの背中を這うようにして、少し小ぶりのオラァモグラが飛び出してくる。同時に、その隣の壁が破れて、もう一体、鋭い爪を持った茶色い獣が姿を現した。


 奥にはまだ、丸まっているそれらの姿が多数ある。


「――やれやれ、竜の王国ではなく土竜もぐらの王国を引き当てるとは!!」


「言ってくれるなハンス。それに、オラァモグラの皮は高く売れる」


「持って帰るのか、この量を。やれやれだな」


 しかし、どのみち全て倒さねば、戻れぬか。

 そう二人の声が重なると、男戦士と大剣使いは、狭い洞窟の中だというのに、背中を合わせて存分に暴れまわるのだった。


 腐っても、冒険者。


 ギャグはないけど、流石だなど男戦士さんとど大剣使いさん、さすがだ。

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