第三章 隻眼いぶし銀ですがロリというだけで台無しのビクター
第117話 どエルフさんとヒッチハイク
【前回のあらすじ】
モーラは南の国へと
はたしてそのどエルフ力でキャラバンの隊長のハートを射止めることができるのか。
そして、まことしやかに語られる、どエルフ力とはいったい何なのか――。
====
「隊長。前になんだか変なエルフが立っていますが?」
「変なエルフ?」
キャラバンの先頭車両。
羊毛の入った袋をベッド代わりに寝転がっていた商隊の隊長――
ほら、あれですよ、あれ、と、指さしたのは――男戦士たちの居る門の前だ。
その門のちょうど中央。
大の字に手を開いて、私はしにましぇーん、という感じに立っているのは、彼らのパーティーが
「何がどう妙なんだよ?」
「いや、見てくださいよ――エルフのくせに、まったく乳がありやせんぜ」
「――なるほど、確かに、エルフのくせに胸がないとは
どういう
「どうします?」
「まぁ、見たとこ冒険者だろう。途中まで乗せていってくれってところじゃないか」
「乗せるんですか?」
「
よっ、と、荷台から飛び降りた。
====
「あっ、ちょっと、キャラバンが
「おぉ!! すごいじゃないかモーラさん!! 流石はどエルフ力、一千万のモーラさんだけはある!!」
「これがモーラのどエルフ力なのか――なんだぞ!!」
「恐ろしい、どエルフ力――まさかこれほどのものとは!!」
「ちょっとみんなふざけないで!!」
一方、パーティーメンバーの
が、すぐにこちらに向かってやってきた男の姿に、その喜びは消えた。
「な、なにかしら」
「もしかして、
「なんか見るからに怖い感じの人ですね」
「まぁなんといっても
けろっと言ってのけるのは男戦士。
彼はいうなり、ごく自然な
すぐさま、女エルフが彼の背中に回り込む。
「――なんだい、こぶつきの女エルフか」
顔を合わすなりそんな失礼なことを言う商隊の隊長。
そんなんじゃないわよ、と、言い返そうとした女エルフを、男戦士が制した。
「ティト」
「モーラさん。君が言いたいことは俺がよくわかっている」
そう言って、男戦士は
「おい、お前、言葉には気を付けろ」
「――あん? なんだてめえは、やけに
「年齢なぞ関係ない。世の中には言っていいことと悪いことがあるんだ――貴様は、その一線を
「だったら、どうするって言うんだ」
そう言って男戦士が
一瞬、男戦士の方が早く動く。
その思いがけず素早い目の前の戦士の挙動に、確かな実力差を感じた
男戦士は、女エルフの胸をなぜか揉んでいた。
「これはコブじゃない!! 小さいながらもおっぱいだ!!」
「――な、なにやってんのよ!! あんたは!!」
げしり、と、女エルフの
コブにコブができる予想外の展開に、商隊の隊長は目をぱちくりとさせたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます