セイレネス・ロンド/歌姫は幻影と歌う

作者 一式鍵

空を飛ぼう 明日がみえるように

  • ★★★ Excellent!!!

戦争のどこへ向かっていくのか分からない不安感、敗戦の絶望感、政治と世論の為の戦い、失われた数えきれないあの人の笑顔。

戦争に翻弄される主人公達の、戦いの覚悟。苦しさ、ささやかな希望。

それらを量子論をはじめとした物理学、情報科学、哲学、政治、神話……多彩な知識と深い造詣のもと、著者の哲学が描かれた作品です。

世界を日常を、戦乱の銃撃音が跡形もなく搔き消していく。
その時は突然、理不尽にやって来る。
遠く、見知らぬ誰かが糸を引いたものに、貴方達は踏み潰されていく。
いつも寝る場所も、いつも見る顔も、いつも話す声も、約束も、なにもかも。

失っても続く明日を。険しい明日に希望を見つけるため、踏み出さなくてはいけない。
夜空を見上げれば、その勇気が湧いてくるだろう。
また、空を飛ぼうと思うだろう。

社会を、人間を
登場人物一人一人が生きていくことを考えさせる素晴らし作品です。
ぜひ御一読を。

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