作家絶滅

作者 @neoblack

★★★ Excellent!!!

それでも、なぜ書くのか?

ああ、面白かったー。

本作主人公は、徹底的につまらない小説しか書けない。彼が小説を書くAIと奇妙な出会いを果たして、物語が進展していく。

読んでいて小気味いいなと思ったのが、本作品を貫く文体だ。意図的に短い文章に仕上げている。また言葉の選択も秀逸で、平明かつ作家である主人公が用いそうな言い回しに努めている。リズムも良い。この辺り、徹底していて非常に読みやすい。この点に強く魅かれる。堅い言い回しをしてしまったけれど、要するにこの文体が個人的に大好きってこと。

本作のテーマは、小説は何のために書くのか? あるいは誰のために書くのか? というものに行きつくだろう。このテーマに、徹底的につまらない小説しかかけない主人公や小説を著わすAIという切り口で挑む。カクヨムでは多くの人が小説を書いたり読んだりしているわけだから、本作が描いたテーマや切り口は、読者にとって無関心ではいられない。本作を読んでいて、自分(の書くモノ)はどうだろうか? と考えさせられる場面は多い。こうした構造も非常に巧みで、読む人が関心を持ちやすい配慮・工夫がある点も本作の大きな魅力だろう。

文体の妙技、気にせずにはいられないテーマ。ぜひ賞翫してほしい。

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